今季初優勝を飾ったオリベイラ「きついレース。タイヤを労わり、ミスのない走りがカギだった」/MotoGP第7戦決勝トップ3コメント

 MotoGP第7戦カタルーニャGPの決勝レースがバルセロナ・カタロニア・サーキットで行われ、MotoGPクラスで優勝したミゲール・オリベイラ(レッドブル・KTM・ファクトリーレーシング)、2位のヨハン・ザルコ(プラマック・レーシング)、3位のジャック・ミラー(ドゥカティ・レノボ・チーム)が会見に出席。レースを振り返った。
 

■ミゲール・オリベイラ(レッドブル・KTM・ファクトリーレーシング)/決勝:優勝

2021年MotoGP第7戦カタルーニャGP ミゲール・オリベイラ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)

「序盤に(後ろのライダーの)ポジションの入れ替わりがあったのはわかっていた。2番手になって、後方と少し差があったので安心して、タイヤを労わるライン取りができ、ミスをしないようにした。それが優勝できたポイントだったと思う。みんなにとってとてもきついレースだった。でも僕は(フロントに)ハードタイヤを履いていて、終盤にはクラッシュしないように走るのがすごく大変だったよ」

「序盤のレースペースはある程度予想していた。それに、ファビオ(・クアルタラロ)が速いだろうとも思っていた。もし彼が序盤にトップに立っていたら、難しかったかもしれない。ただ、彼には今日、あまりマージンがなかったみたいだ。彼が僕をオーバーテイクしたときに、彼についていって追い詰めるチャンスかもしれないと思った。そして、なんとかそうすることができた。それからファビオは僕から離れずにいたのだと思う。ただ、彼のレザースーツに不運な出来事が起こった。そして、残り数周でヨハン(・ザルコ)がやってきたわけだけど、(優勝できて)うれしいよ」

■ヨハン・ザルコ(プラマック・レーシング)/決勝:2位

2021年MotoGP第7戦カタルーニャGP 優勝:ミゲール・オリベイラ、2位:ヨハン・ザルコ、3位:ジャック・ミラー

「2位になれてうれしい。残り2周ではミゲルをとらえようと攻めていたんだ。僕はセクター1で速かった。セクター2とセクター4では、タイムを縮めるのが難しかった。だから、彼に仕掛けようと考えてはいたんだけど、計算が足りなかったね。2位フィニッシュでよかったんだと思う。優勝のために攻めようとしているときであっても、2番手にいるならミスはしたくないものだからね」

「でもまあ、それ以外は昨日思っていたよりもよかったよ。僕はリヤを上手くコントロールできると思っていた。でも、レース序盤はミスをしないようにしていて、それでポジションを落としたんだと思う。アレイシ・エスパルガロやマルク・マルケスが攻めてきたからね。そのあと、ポジションを落とさないために少しアグレッシブに走り始めた。そしてジャック(・ミラー)とのポジション争い。まったく同じバイクだから、オーバーテイクするのが難しかったよ。それで少し時間を使ってしまった。それに、彼の後ろでタイヤが少し、熱くなってしまったんだ」

「でも、ジャックをオーバーテイクできて、それからファビオ、ジョアン・ミルをとらえようとした。これには多くのエネルギーを費やすことになった。オーバーテイクはできた。ただ、そのために終盤はかなり限界だったんだ」

「今のチャンピオンシップの状況については、とてもうれしい。ジョアン・ミルをオーバーテイクして、そして表彰台に立って、少なくともファビオの前でポイントを獲得するのが状況として完ぺきだと思っていたんだ」

「(ファビオの)レザースーツに起こった問題は驚きだった。何が起こったのか、本当にわからないよ。ただ、彼の後ろにいたら、3コーナーでファビオが胸部のプロテクターを外したんだ。『何をしているんだろう、腕に何か痛みがあったのかもしれない』とは思った。でもわからなかった。ただ、彼はタイムをロスしていたのはわかった」

「それからファビオをオーバーテイクできた。チャンピオンシップにとってよかったね。ただ、あまりチャンピオンシップについては考えすぎないようにしたい。そうすると、レースにまた集中できる。優勝については考えすぎないようにする、それが最後まで集中力を保つ一番いいやり方だと思う。いい日曜日だった」

■ジャック・ミラー(ドゥカティ・レノボ・チーム)/決勝:3位

2021年MotoGP第7戦カタルーニャGP ジャック・ミラー(ドゥカティ・レノボ・チーム)

「まず、レースはとてもよかったよ。予定していた通りにはいかなかったけれど、まあ大体は完ぺきだった。4コーナーではちょっとしたことがあって、ギヤチェンジのミスをして、はらんでいってしまったんだよ。そのあとポジションを回復できたけどね」

「それから、フロントタイヤの温度にかなり苦戦することになった。スリップストリームには入れず、冷えた空気をタイヤに送ろうとした。でも、何をやっても温度が下がらなかった。それが頭から離れなかった。ただ、リヤタイヤはうまくマネジメントできたよ。特に序盤、後方にいたときには、最後まで頑張ろうと思って、僕はとても、とってもリヤタイヤを労わっていたんだ」

「問題は、ジョアン・ミル、そのときはファビオだったと思うけど、彼らとの差を広げようとしたこと。少しずつ差を広げて、フロントタイヤには空気を入れていった。でもそうしているうちに、ジョアンに交わされ、ザルコにパスされ……。ずっと誰かの後ろにいたものだから、終盤になってもフロントタイヤをうまくマネジメントできなかったんだ」

「何度かファビオを交わそうとはしたんだけど、ヨハンが彼を交わしたとき、もう僕はわかっていたんだ。ファビオはシケインを通過した、そして僕たちはルールを知っている。彼がシケインを抜けて僕の前に戻ってきたときには『小癪な~』なんて思ったりして……」

「(レースが終わって)タワーが見えて、自分が3位だということがわかった。いい日になった。チャンピオンシップのランキングも(4番手から3番手に)浮上したし、初めてバルセロナ(バルセロナ・カタロニア・サーキット)で表彰台に立ったよ。本当に驚いた。表彰台を獲得するには階段を上がっていくんだなと思ったけど、まあ、それ以外は順調だったと思う」

「2020年のような調子のよさが戻ってきていると感じているよ。毎周、フリー走行やレースでは自分の仕事に打ち込むことができている。2回の優勝で、一気にポイントを加算できたし。今はリズムを取り戻して、バイクにとてもうまく乗れていると感じるんだ。ドゥカティのデスモセディチGP21という素晴らしいバイクがあって、どんどんよくなっていると感じる」

「次のドイツGPに行けばわかるだろう。今日はちょっとナーバスになっている。タイトなコースだからね、でも楽しいコースだよ。アッセン(オランダGP)はわからないけれど、これからオーストリアのようなサーキットも控えているわけだし、うまくいくだろうと思う。長い目で見て、期待したいね」

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