【東京五輪】千葉県知事が有観客リスク懸念 菅首相は「命が前提」と主張も具体策なし

千葉県知事の熊谷俊人氏

開幕まで残り50日を切った東京五輪を巡り、熊谷俊人千葉県知事(43)のブログが話題となっている。

熊谷知事は6日に自身のブログで「五輪は二度とないほどの大きなイベントかもしれませんが、所詮はスポーツイベントです」との考えを示し「五輪を有観客で開催しておいて、五輪を観戦しない国民に都県をまたぐ移動自粛を要請するなど、あっていいはずがありません」と疑問を投げかけた。

その上で、争点の1つとなっている観客の有無について言及。「有観客に100%反対しているわけではありません。最も危惧しているのは意思決定者にその認識が無く、有観客にしたのにもかかわらず、国民に外出自粛や都県をまたぐ移動自粛を引き続き要請する事態です」と私見を述べた。

熊谷知事のコメントに、ネット上では「有観客での人の流れを懸念している。五輪開催の可否はともかく、矛盾だらけの政府よりまともと言える」と好意的な意見が聞かれた一方で「五輪中止が1番の対策ですね」と厳しい指摘も見られた。

ただ、政府の姿勢は依然として中途半端なままだ。菅義偉首相(72)は、7日の参院決算委員会で「国民の命と健康を守るのが首相たる私の仕事だ。命や健康が守れなければ実施しないというのが当然だ」と答えたが、具体策は提示していない。

地方自治体のトップが有観客のリスクに不安の声を上げたのにもかかわらず、政府のトップは抽象的な発言を繰り返すばかり。本当にこのままで大丈夫なのだろうか。

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