西海市内の高校入学者を補助 市、生徒確保で1人5万円

 長崎県西海市は定員割れが続く市内県立高校の生徒確保に向け、入学支援制度を来年度の新入生から導入する。補助額は1人5万円。本年度一般会計補正予算案に事業費として745万円を計上し、11日開会の定例市議会に提出する。
 市によると、同様の制度は松浦市に続いて県内2例目。財源にはふるさと納税制度の寄付金を充てる。
 西海市内には大崎、西彼杵、西彼農の3校があり今春の募集定員は計240人。市内外から合わせて126人が入学したが、市内中学出身は63人にとどまった。2019年度以降、市内中学卒業生が市内に入学した割合は4割に届かず、減少傾向が続いている。
 市は経済的負担の軽減で生徒数を増やす考え。増加による教育や部活動の活性化で各校の魅力向上を図る。補助は市外から進学する生徒も対象とし、入学時に保護者が学校に収める諸費用から5万円を減額する方法などを検討している。市の担当者は「生徒数増を各校の存続につなげたい」と話した。
 市は11日開会の定例市議会に総額6億5300万円の本年度一般会計補正予算案など計8件を提出する。新型コロナ対策では市庁舎や小中学校など152公共施設の手洗い水栓を非接触型に取り換える費用に5900万円。小中学校の児童生徒に1人1台の端末を整備する「GIGAスクール構想」では、家庭学習のためネット環境を整備する世帯への補助など計1500万円を計上した。
 市議会議会運営委員会は7日、定例会の会期を11日から23日までの13日間とすることを申し合わせた。一般質問は15~17日。計12人が登壇する。

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