レッドソックス澤村が1回1/3無失点で日米通算50勝 米メディアも「モンスター」と驚嘆

マーリンズ戦で快投する澤村(ロイター=-USA TODAY Sports)

評価はうなぎ上りだ。レッドソックスの澤村拓一投手(33)が7日(日本時間8日)、本拠地で行われたマーリンズ戦で6回からリリーフ登板。1回1/3を無安打1四球無失点に抑えメジャー2勝目をマークし、日米通算50勝にも到達した。

3点リードの6回二死一、二塁の場面から4番手としてマウンドへ向かった。2番マルテ外野手に四球を与えて満塁とし絶体絶命の状況下を作り出してしまったものの、ここからギアを引き上げた。グランドスラムを被弾すれば一気に逆転される大ピンチの中、相手の主砲・3番アギラル内野手を93・9マイル(約151キロ)の〝伝家の宝刀〟スプリットで空振り三振に斬って落とし、マウンド上で雄叫び。フェンウェイ・パークのスタンドから大歓声を一身に浴びた。

続く7回も続投。4番ディカーソンを左飛、5番・クーパーにはこの日最速の97・1マイル(約156キロ)で二ゴロに仕留めて簡単に打ち取ると、最後は6番デュバルをフルカウントから再び94・1マイル(約151・4キロ)スプリットで空振り三振を奪い、マーリンズの中軸を三者凡退で難なく料理した。

レッドソックスはピベッタが先発マウンドに立ったものの5回途中で降板。相手の猛追を受けながらも6投手の継投リレーを駆使しながら5―3で逃げ切って5連勝とし、澤村が勝利投手の権利を得た。右腕にとっては4月23日(同24日)のマリナーズ戦以来の白星となった。

前回登板の4日(同5日)・敵地ヤンキース戦では3点リードの7回から2番手として登板し、5つの三振を奪うなど2イニングを無失点。この快投でNYメディアからも「ライバルのボストンに厄介な存在が加わった」「恐るべきモンスターだ」などと評され、強烈なインパクトを与えている。そのヤンキース戦に続いて3試合連続無失点と澤村は安定した投球を続けており、自身の成績も防御率2・63、WHIP1・33としている。

地元紙「ボストン・グローブ」のレッドソックス番を務めるピート・アブラハム記者は、この日の澤村の快投を「昨シーズン、一時は日本のマイナー(巨人で二軍)に降格した澤村拓一。今、彼はフェンウェイ・パークで満塁のピンチの場面で94マイルのスプリッターを投げて三振を取っている」と驚きながらツイート。日本で一時不遇だったことを振り返りつつ、MLBの世界に飛び込んでからは水を得た魚のごとく大暴れする右腕の活躍ぶりを称賛している。

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