【MLB】MVPは大谷翔平とゲレーロJr.の一騎打ち? 米メディアが予想する二刀流勝利の条件とは

ブルージェイズのブラディミール・ゲレーロJr.(左)とエンゼルスの大谷翔平【写真:Getty Images】

「投打両方でこれほど生産性が高いのはベーブ・ルース以来」

今年のア・リーグMVPは誰が受賞するだろうか? 2021年シーズンは各球団が60試合前後を消化した段階でまだ先は長いが、エンゼルスの大谷翔平投手と、ブルージェイズのブラディミール・ゲレーロJr.内野手による争いだと米メディアが予想した。投打二刀流で精彩を放つ大谷か、7日(日本時間8日)時点で両リーグ最多の18本塁打を放っている22歳のゲレーロJr.か。2人の今後の活躍に注目が集まる。

米メディア「バリー・スポーツ」は「ア・リーグMVP争い:オオタニとVlad(ゲレーロJr.)の間で、イッツ・Sho-time」とのタイトルで早くもMVP争いを特集。「ショウヘイ・オオタニが投手か打者かどちらかに専念していたら、現時点でア・リーグMVPはブラディミール・ゲレーロJr.が独走状態だっただろう」と報じた。

しかし、大谷は怪我をしない限りは「どちらかに専念することはないだろう。彼は両方ともあまりに優れている」とし、大谷が受賞する場合の条件を次のように説明する。

「オオタニがしなければいけないのはフィールドに居続けることだけだ。そうすれば受賞するだろう。ア・リーグには(オオタニ)より生産性の高い打者や投手がいるが、MLBを追いかけている人なら誰もが知っているように、投打両方においてこれほど生産性が高い選手はベーブ・ルースが若かった頃以来、現れていない」

打撃でゲレーロJr.に離されず、「マウンドでやるべきことをやり続ければいい」

ゲレーロJr.はメジャートップの本塁打に加えて、打率、出塁率、長打率でリーグトップ。打点も3位につける。長打率.662はこのままいけばメジャー史上9位になるという(記録はすべて7日=日本時間8日時点)。一塁の守備もリーグトップクラスで、盗塁はしないが足も速い。平均スプリントスピードはMLB平均と同じ秒速27フィート(約8.2メートル)だが、内野安打を放った際に秒速29フィート(約8.8メートル)を記録したこともある。

しかし、ゲレーロは投手はしない。大谷は今季ここまで8度先発し、42回1/3を投げて60奪三振。防御率2.76をマークしている。防御率は規定投球回に達すればリーグ6位、奪三振率では5位に位置する。大谷が「こんなにも多くのことで優れているのはただただ信じ難い」と評価する。もちろん打者としてはバレルゾーン率が両リーグトップ。盗塁も9つマークし、リーグでも足の速さは最速クラスだ(記録はすべて7日=日本時間8日時点)。

大谷に不利なことは「エンゼルスの順位」とも。MVP受賞にあたっては、チーム成績が重視されなくなってきたとはいえ、中にはエンゼルスの順位を理由に「投票を控える記者もいるだろう」と指摘する。

とはいえ投打二刀流で活躍する大谷“優位”は揺るがないようだ。「フィールド上の誰かがゲレーロを数字で完全に上回るのを想像するのは難しい。オオタニは上回る必要がない、彼はただオフェンス面で離されないようにし、マウンドでやるべきことをやり続ければいいだけだ」。このままシーズン最後まで二刀流を持続できればMVPを受賞できるとしている。(Full-Count編集部)

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