長崎西の同点を狙った3点シュートが放たれた直後、試合終了のブザーが鳴った。誰もが固唾(かたず)をのんで見守る中、ボールはリングを弾いて落下。瞬間、鎮西学院の初優勝が決まった。
バスケットボール女子決勝リーグ。2勝同士の優勝決定戦は、力をつけてきた新鋭校が伝統校に3点差で競り勝った。「最後まで気を強く持って戦ってくれた」。内野監督は教え子たちを手放しでたたえた。
左肘を負傷していた主将のガード原が大会前に復帰。チームの大黒柱はマンマークで長崎西の得点源であるガード中村を抑えた。第2クオーター終盤から失点がかさみ始めると、ゾーンディフェンスに切り替えて対応。緻密な戦略で相手の自由を奪った。
攻撃面はセンター城を軸に、ガード本田、フォワード後田らのコンビネーションが機能。第3クオーターに一時逆転されたが、雑にならず、インサイドから得点を重ねた。原は勝負どころで3点シュートを決めた。
純心女出身で国体成年女子のメンバーだった内野監督が2014年に着任。初戦敗退が続いていた部の強化を任された。以降、徐々に存在感を増し、18、19年に県高総体で4強入り。そして迎えた今季、1月の県新人大会で初の県タイトルを獲得すると、本番の県高総体も結果を出した。
「先生が30歳になるまでに全国へ」がチームの合言葉だった。その恩師は19日に30回目の誕生日を迎える。「少し早いプレゼントをもらった。ありがとう」。就任8年目でインターハイ切符をつかんだ若手指導者は、生徒たちと同じ輪の中で喜んでいた。
バスケット女子 鎮西学院が初の栄冠 3点差で逃げ切る 第73回県高校総合体育大会 第4日
- Published
- 2021/06/09 10:50 (JST)
- Updated
- 2021/06/09 20:01 (JST)
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