【高校発みやざきSDGs】ー19ー宮崎北(下) 世界的視野を育てる

オンラインでイギリスの高校生と交流する生徒たち

 本校はさまざまな国の人々との交流を通して、偏見を持たず、広い心と視野を持ち、コミュニケーション力の高い生徒を育成することを目標に掲げている。2015年から国際交流を推進し、これまで文部科学省の「さくらサイエンスプラン」を利用し、ミャンマー、タイ、台湾の高校生約40人を招へいした。

 タイのカセサート大付属高校とは姉妹校提携を結び、短期(2週間)の交換留学を実現した。コロナ禍で行事は中止となっているが、「ピンチはチャンス」と捉え、方法を模索し、オンラインによる交流を積極的に行っている。イギリスのタウンリーグラマースクールとも月1回、オンラインでSDGsのテーマについて互いにプレゼンテーションを実施。それぞれの国の状況について質疑応答を行っている。

 鬼束萌々果さん(普通科3年)のグループは、コロナ禍でうつの発症や自殺者が増加している現代社会の問題に目を向け、「メンタルヘルス」をテーマにプレゼンテーションし、議論した。互いに視点は異なるものの、ストレスを抱える人が多いことが共通の話題となり、ストレスを抱える人を支援する組織や体制が重要であるとの結論に至った。異文化とはいえ、抱える社会問題には共通することが多いと感じた。今後は、より一層英語力に磨きをかけ、さまざまな国の人々と社会の問題を共有し、グローバルな発想で解決の糸口を見いだしたいと考えている。

 このような学びを通して、多くの生徒がグローバルな視野から社会問題に向き合える環境を提供したい。(教諭・甲斐史彦)=日曜日掲載=

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