【高校発みやざきSDGs】ー14ー高鍋(上) 探究心の育成目指す

小丸川学習で、水門の中に入り、排管の様子を学習する生徒

 本校の探究科学科はさまざまな教育活動の中で、「答えのない問いに向き合う」など探究心の育成を目指した学科である。

 1年生が履修する「探究1」は「持続可能な社会への探究」をテーマに設定している。高鍋町は尾鈴連山や小丸川、蚊口浜に囲まれた自然豊かな地域であり、また歴史と文教の町としても知られる。「自然」と「街」、そして「人」がバランスよく共存している町の「これまで」、そして「これから」を視野に入れ、いくつかのフィールドワーク(FW)を通して「自然と人間の共生」を学ぶ。さらにすでに形になっている、またはまだ形になっていない住民の思いを直接見聞きしながら、地域にとどまらない社会全体の「持続可能性」を考える時間でもある。

 「FW演習2」では本校のそばを流れる一級河川・小丸川を教材にし、国交省九州地方整備局宮崎河川国道事務所と県土整備部高鍋土木事務所の協力・連携の下、「防災・施設」班と「生物」班に分かれて学ぶ。「防災・施設」班は排水の仕組みや治水、利水の現状を直接見て、多くの人の経験や知恵が形になっているさまを知る。水門の開閉の仕組みには東日本大震災の教訓が生かされていることを目の当たりにした。

 一方、「生物」班は水質調査や生物採集を通して「水」の豊かさを学んだ。昨年参加した生徒は「普段何気なく眺めているだけの川が、私たちの『あるべき姿』を教えてくれる」と語っている。

(指導教諭・三浦章子)

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