「Noism」芸術監督・金森穣氏が春の紫綬褒章受賞を新潟市の中原八一市長へ報告

新潟市の中原八一市長(写真左)と金森穣氏(写真右)

新潟市民芸術文化会館(りゅーとぴあ 新潟市中央区)の舞踊部門芸術監督であり、同劇場の専属舞踊団「Noism」を率いる舞踊家・金森穣氏が9日、春の紫綬褒章を受賞したことを報告するため、新潟市の中原八一市長へ表敬訪問した。

金森氏は2004年、国内ではほぼ唯一となる公共劇場専属の劇団「Noism」を立ち上げ、そのクオリティへの高い評価は元より、コロナ禍においては芸術と行政の関わり方の一つの形としても再び注目されている。

中原市長から受賞の感想を訊かれた金森氏は「新潟には感謝しかない。17年前、専属舞踊団として許可が下りていなければ日本を離れていた。新潟での活動があったからこそ受賞できたと思っている」と話す。また、比較的若くして紫綬褒章を受賞する人が多い舞踊家の中でも、特に金森氏は若年であったことから驚きもあったという。

表敬訪問の様子

一方で、市の財政難から「Noism」への補助金が議論となっている点に対して、今回の受賞は安泰を保証するものではないと金森氏は語る。「我々の課題は国や海外ではなく、新潟市からの評価や、市の文化としてどれだけ価値があるかを立証しなければいけないものであり、今回の受賞は弾みにはなるが、直結はしない。舞踊家としての人生をかけた新潟に、この受賞をどう還元できるか考えていかなければいけない」。

「Noism」では5月12日にメンバー1人が新型コロナウイルスに感染したことを受け、メンバー全員の自宅待機やPCR検査を実施したが、現在は感染対策を行いながら次回の公演への準備を進めている。次回、7月2日から4日にかけての演目は、ストラヴィンスキー没後50年を記念した『春の祭典』など3作品。「色々なNoismの作品を楽しんでいただきたい」(金森氏)という。

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