党首討論で肩透かし食らった立民・枝野代表「国民が聞きたかったのは五輪の思い出話じゃない」

ぶら下がり取材に応じた枝野代表

立憲民主党の枝野幸男代表(57)は9日に行われた菅義偉首相(72)との党首討論で〝肩透かし〟を食らった格好だ。

菅首相は枝野氏の新型コロナウイルス対応、東京五輪・パラリンピック開催の追及に対し「感染対策、水際対策を徹底する」と従来の説明を繰り返した。

その上で「57年前、私は高校生でした。東洋の魔女の回転レシーブ。底知れない人間の能力を感じた」と自身の1964年に開催された東京五輪の思い出話を披露した。

枝野氏は五輪開催の意義を語る菅首相に対し「(新型コロナ禍で)命が失われたら取り返しがつかない。失われた命に対し、政治は責任が取れず、そのことへの総理の認識が十分ではない」と批判した。

党首討論の終了後に行われたぶら下がり取材に応じた枝野氏は「オリンピックの安全性と意義、補正予算、会期の延長、残念ながら3つのゼロが明からかになったという党首討論だった」と振り返った。

「国民が菅首相から聞きたかったのは、オリンピックの思い出話じゃなかったはず。討論がまったく噛み合わなかったのは残念です」(立民議員)

枝野氏は今後、10日に野党党首会談を開き、国会会期の延長を求めることについて確認する方針。菅政権に対する内閣不信任決議案の提出は、会期末に向けて検討するという。

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