韓国国民年金、カカオモビリティに1,100億円投資...企業価値は約4,000億円に

韓国の国民年金公団(NPS:NATIONAL PENSION SERVICE)が、カカオモビリティに1億ドル(約1,100億円)を投資する。

金融監督院や韓国メディアなどによると、カカオモビリティは、既存投資家であるTPGコンソーシアムとカーライルを通じて1億2500万ドル(約1,370億円))の投資誘致を完了した。このうち、国年年金がTPGコンソーシアムの出資額1億1680万ドルのうち1億ドルを出資する。

今回の投資により、カカオモビリティの企業価値は3兆6164億ウォン(約3,964億円)と評価された。カカオモビリティがTPGコンソーシアム、カーライル、Googleなどから誘致した累積投資額は約9200億ウォン(約903億円)となっている。

(画像:カカオの当該公示/DART)

今回の投資により、カカオモビリティの持分率はカカオ(60.8%)、TPGコンソーシアム(30.7%)、カーライル(6.6%)、グーグル(1.6%)の順となった。

韓国メディアなどによると、国民年金は、カカオモビリティの成長の可能性を高く評価しており、今回の投資を決定した。カカオモビリティはタクシーサービスのみ10兆ウォン(約9800億円)規模とされる韓国モビリティ市場で各種アプリサービスなどを展開しており、タクシーサービスの多様化に成功した。また、年間100兆ウォン(約9.8兆円)規模とされる車両アフターマーケット市場での成長も見据えている。

カカオモビリティは、2015年3月、タクシーの配車サービスである「カカオタクシー」でモビリティ事業に初めて進出し、2016年には代理運転手を呼び出すサービス「カカオ代理」に続き、駐車場やバイクサービスなども公開し、移動をめぐる総合プラットフォームへと成長している。これらサービスを集めた「カカオT」アプリの利用者数は2700万人(2020年第3四半期基準)に達する。

(参考記事:「韓国機関投資家7社、米ファンドに約500億円投資」)
(参考記事:「韓国の二大政府系投資機関が米物流ファンドに659億円投資」)

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