気象庁は10日(木)、エルニーニョ監視速報を発表した。昨年夏から続いているラニーニャ現象は、終息したと見られる。今後、秋にかけては、平常の状態である可能性が高い(60%)。
5月のエルニーニョ監視海域の海面水温は基準値より低い値だが、前月より基準値との差は狭まり-0.5℃だった。海洋と大気の状態はラニーニャ現象時の特徴が不明瞭になったことを示しており、昨年夏から続いているラニーニャ現象は終息したと見られる。
太平洋赤道域の西部の海洋表層には暖水が見られ、今後東進して東部の海面水温の上昇に寄与すると予測される。エルニーニョ予測モデルは、エルニーニョ監視海域の海面水温は今後引き続き基準値に近づき、夏から秋にかけて基準値に近い値で推移すると予測している。以上のことから、今後、秋にかけては平常の状態である可能性が高い(60 %)。
エルニーニョ/ラニーニャ現象とは
エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象のこと。逆に、同じ海域で海面水温が、平年より低い状態が続く現象はラニーニャ現象と呼ばれる。ひとたびエルニーニョ現象やラニーニャ現象が発生すると、日本を含め世界中で異常な天候が起こると考えられている。