「虚偽のパワハラ流布された」 神奈川・大和市長、元副市長を提訴 謝罪広告と慰謝料求める

元副市長を提訴したと明らかにする大和市の大木哲市長(左)と代理人に選任された大澤孝征弁護士=大和市役所

 大和市副市長を4月に任期途中で辞職した金子勝氏(64)が大木哲市長(72)による職員へのパワーハラスメント的言動があったと証言したことを巡り、大木市長は10日、「虚偽のパワハラを流布され、その内容を報道されたことで市長としての名誉を毀損(きそん)された」として、金子氏に謝罪広告の掲載や慰謝料など1100万円の損害賠償を求め、横浜地裁に提訴したと明らかにした。

 提訴は10日付。

 副市長経験者が現職市長のパワハラを証言した異例の事態は、法廷闘争に発展した。

 同日、市役所で記者会見した大木市長は「個人としての提訴。職員からパワハラの申し出はなく、金子氏には法廷で本当のことを語ってほしい」とし、「(副市長を)辞職した際は理由を明らかにせず、その後一転してパワハラに関する証言をしている。その意図は別にあり、(私への)政治的攻撃や社会的なイメージ低下と推察している」などと述べた。

 会見には、市の顧問弁護士で、大木氏側の代理人に選任された大澤孝征弁護士が同席した。

 訴状などによると、金子氏は虚偽の市長によるパワハラ証言を行い、それに基づく報道で市長の社会的評価を大きく損ねた、としている。

 金子氏は「訴状の内容を確認してから対応を考えたい」とコメントした。

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