〈令和2年7月 熊本県豪雨災害〉地域紙連携で被災地支援 「地域紙のある町ネットワーク」呼び掛け人会

 地球温暖化の影響もあって近年、日本列島の各地で大規模な自然災害が相次いでいます。昨年7月4日には熊本県の球磨川流域で大きな水害が発生しました。この地域には私たち地域紙仲間の人吉新聞があり、その後、地域と共に早期復興を目指して奮闘しています。

 熊本県人吉市など地元自治体や人吉新聞に尋ねると、水害から1年がたとうとしている今も水害の傷跡は各所に深く刻まれ、復興は道半ばといいます。そこで考えたのが、全国各地の地域紙仲間に呼び掛け、少しでも復興に向けた応援ができないものか、ということです。

 人吉新聞社の石蔵尚之社長と話し合った上で4月に入り活動を開始。4年前に京都府綾部市で第15回全国地域紙交流会(日本地域紙協議会主催)が開かれた際に集まった全国の地域紙の中から、9社が「呼び掛け人会」に名を連ねました。

 具体的な企画として取り組むのは、人吉球磨の代表的な産業である「球磨焼酎」の頒布会。地元では27蔵元のうち7蔵元が大きな被害を受けましたが、復興途上にある蔵元の球磨焼酎頒布会の広告を全国の地域紙仲間が無料で載せることで、応援につなげるものです。

頒布会の広告

 地元では人吉新聞が頒布会の広告版下の制作と、この1年間の復興の経過や今後の課題など連載記事の出稿を引き受けてくれ、事務局である京都府の「あやべ市民新聞社」を通じて全国で賛同していただける30紙余りの地域紙に配信します。

 被災した地域の中だけでは対処できない深刻な課題に全国の地域紙が協働して取り組み、解決策をサポートします。連携することで生み出されるパワーを被災した地域に送り込む試みです。ご理解とご協力のほどをよろしくお願い申し上げます。

2021年6月
「地域紙のある町ネットワーク」呼び掛け人会

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