新潟県が社会の変化に合わせた働き方や教育について検討する会議を開催

検討会の様子

新潟県は11日、社会の変化に対応した社会や教育などを専門家の意見を交えて検討する会議を開催した。

新潟県では、中長期的な県勢の維持や発展に向けて展開すべき施策や財源確保などについて様々なテーマを検討する「持続可能な社会実現に向けた政策に係る検討委員会」を2020年11月から開催しており、今回はその第4回目。

会議は非公開で行われたが、委員長を務める新潟大学の若杉隆平学長が会議後に取材へ応じ、提出された意見や、今回の会議で共有された県の抱える課題などについて説明した。

今回は、委員長である新潟大学の若杉隆平学長を含め、委員は全員オンラインで参加した

今回は社会の変化に応じた産業と人材育成をテーマに専門家が意見を出し合った。若杉学長は県外も含めて現状について「働き方が近年大きく変わっていおり、特にコロナ禍がその傾向を明確にした。30年ほど前に比べてライフプランが変わっているにもかかわらず、社会の仕組みがそれに対応できていない。地域の持続性のため、雇用や働き方、人材育成は考え直す必要が有る」と分析する。

この課題に対し会議では、地方での仕事へのマッチングシステムの拡充や、「地域で働くこと」のイメージを想起することのできる教育を、就職を考える年代だけでなくより若い中等教育でも実施してくことなどの重要性が話されたという。

また、県内にはAI関連の教育機関が充実する一方で、就職先となる企業が少ない点や、起業する会社数が伸び悩んでいる現状があるが、今回の会議でもデジタル関連のスタートアップへの支援による雇用の創出が話題に上がったようだ。

こうした、会議の中で提案された取り組みを進めるにあたり若杉学長は「それぞれの産業や大学、自治体がいろいろな取り組みをしているが、情報交換をしながら方向付けをして、同じ方向へ取り組んでいく必要がある」と語った。

委員会では今後、今回の議論のなかで抽出された課題をまとめていくとともに、次回は夏頃、地域インフラや公共交通機関について話し合う予定である。

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