【レスリング】プレーオフ 高橋が東京五輪切符獲得「あきらめなくてよかった」

高橋侑希

レスリングの東京五輪男子フリー57キロ級代表プレーオフが12日、都内の味の素ナショナルトレーニングセンターで行われ、2017年世界王者の高橋侑希(27=山梨学院大職)が16年リオデジャネイロ五輪銀メダリストの樋口黎(25=ミキハウス)を4―2で下し、初の東京五輪代表に決定した。

「あきらめなくてよかった。ほっとしている」と話した高橋。リオ五輪出場を逃し、東京こそは、と臨んだ19年の全日本選手権決勝で樋口に敗れ、東京五輪出場も絶望的になった。2度も五輪が遠のき「自分を『かわいそうな選手だな』と思うこともあった」という。

しかし「悲観的に考えると人生楽しくない。この経験は二度とできないんじゃないか、貴重な時間を経験させてもらっていると思うようにした」。前向き思考は運も引き寄せた。

4月の東京五輪アジア予選(カザフスタン)で、樋口がわずか50グラムオーバーで計量失格。高橋に世界最終予選(5月、ブルガリア)代表の座がまわってきた。わずかな望みにかけ、腐らず練習し続けていた成果を見事に発揮。出場枠を獲得し、勢いのままに代表の座も射止めた。

「どれだけ辛いことがあっても、絶対乗り切れるという自信がわいてきた。東京五輪の目標はもちろん金メダル。金しか見えていません」。どん底から這い上がり、ゆるぎない自信を身に着けた高橋が、東京で大暴れしそうだ。

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