ライオンズの若き龍・綱島龍生選手の活動報告 〈14〉チャンスつかみ取る

 春季キャンプを終え、いよいよ開幕に向けた実戦が始まっている。同級生たちが1軍昇格を果たした昨シーズン。綱島龍生にとって今年に懸ける思いは人一倍だ。

 今年、B班は所沢キャンプから始まり、高知で過ごしたのは2週間ほどだが、日焼けして帰京した綱島は充実した表情だった。

明るい表情で練習に臨む綱島選手(球団広報部撮影)

 「キャンプインの時と比べて、飛距離も伸びましたし、打球の質が良くなりました」。これがその表情の理由だ。「下半身の使い方、股関節の動き、そして力をどうボールに伝えるかというところを重点的に練習しました」とうなずいた。

 もちろん、最初からうまくいくわけではないが、〝これだ!〟という感触の時は、打球にも反映する。「うまくできた時は気持ちいいですね。ただ続いていかないのでもっと打たないと」と、ここからはひたすら数をこなし、さらに精度を高めていく。

 帰京後の実戦では、試合後半に2打席前後といった途中出場が続いている。まだコンスタントに安打が出ていないが、「積極的に振っていく気持ちで打席に向かっているので、いい雰囲気で打席に入れている感覚はあります」と表情は明るい。一方で、「対投手という点で対応できていないので、そこが課題です」と最後に表情を引き締めた。

 試合の中盤に差し掛かると、ベンチ前に出て素振りを始め、相手投手とのタイミングを合わせる。基本的なことだが、今の綱島にとっては守備も打撃も〝基本に忠実に〟が合言葉だ。

 オフ期間中に特訓した守備も安定し始め、自分の形ができつつある。基本の繰り返しで地味な練習ではあるが、「ボールを柔らかく吸収するイメージでやっています」と、グラブをはめた時の意識を明かした。

 3月20日にイースタン・リーグが開幕し、26日にはCAR3219フィールドで昨年のオープン後、初めての有観客試合が開催される。開幕スタメンを目指す綱島は「課題をつぶして、残りの試合でアピールしていくしかないです」と語気を強めた。

 「プロ4年目となり、今年が最後という気持ちでやっています。やれることはやってきましたし、チャンスをしっかりつかみ取れるよう頑張ります」と力強く話した。
(西武ライオンズ広報部 亀田礼子)

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