【東京五輪】群馬・前橋市で一昨年11月から合宿中 南スーダン選手のワクチン接種どうなる?

本番まであと40日を切った

東京五輪開幕を約40日後に控える中、日本代表選手団は新型コロナウイルスのワクチン接種を進めている。海外ではすでに接種を終えた選手もいるが、国内で長期キャンプを続ける〝彼ら〟はどうなっているのか。担当者に話を聞いた。

群馬・前橋市では南スーダンの五輪、パラリンピック選手ら5人が一昨年11月から合宿を継続中。国内では開催について賛否が飛び交っているものの、同国選手団に近い関係者は「この状況を認識しているようだが、そこは自分たちがコントロールできる部分ではないので練習に集中しようと話している」と代弁した。

そんな中、国際オリンピック委員会(IOC)がワクチンを確保したことで、日本選手団は今月1日から接種を開始。一方、前橋市でトレーニングを続ける南スーダンの選手らはまだ接種していないという。

同市に確認したところ、ワクチン接種を巡っては現地のオリンピック委員会に一任されていることが判明。担当者は「まだ正式な回答ではない」とした上で「もう国を離れているので、できれば前橋で面倒をみてくれないかと。ただ、五輪出場にワクチンは義務ではないので、各選手から希望があれば、こちらで接種できる手続きを進めているということ」と説明した。

同市の聞き取りでは「(ワクチンを)打ちたいという選手もいれば、あまり気乗りじゃない選手もいる」(前出担当者)。近日中に最終確認を行う予定だが、今後は接種のタイミングが課題になりそうだ。

同国選手団はすでに外国人登録をしているため、前橋市民としてワクチンを接種する権利があるという。しかし、担当者は「余剰ワクチンが出ているとの報道もあるし、早めに入れてもらえればいいが、まずは五輪選手よりも高齢者が優先。一般の人と同じルールでやっていくことになりそうだ」と話す。

同じ群馬では太田市で女子ソフトボールのオーストラリア代表が合宿中。同チームは全員がワクチン接種を終えているが、南スーダンの選手らの「安心・安全」の〝切り札〟は本番までに届くのか。

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