マリナーズ菊池が7回無失点 負傷乗り越え今季9度目QS達成も4勝目消滅 米メディアは〝同情〟

インディアンズ戦で圧巻の投球を見せた菊池(ロイター=USA TODAY Sports)

打撲の影響は全く感じさせなかった。マリナーズ菊池雄星投手(29)が12日(日本時間13日)の敵地インディアンズ戦で7回3安打3四球無失点と好投。しかし自身の力投も実らずチームは延長10回にタイブレークの末に4―5で敗れ、今季4勝目は手にできなかった。

前回登板の5日(同6日)の敵地エンゼルス戦では右膝に打球を受けて降板していた。右膝打撲の診断を受けて次回登板への影響も懸念されたが、この日は中6日でマウンドに立ち以前と変わらぬ安定感あふれる投球術で米メディアや有識者、ファンをうならせた。

立ち上がりこそ制球にやや苦慮し、3回までは先頭打者に出塁を許した。
それでも冷静さを失わずに本塁は踏ませず、3回までに打線から3得点の援護をもらうと4回以降は要所で組み込むカットボールが冴え渡りインディアンズ打線に凡打の山を築かせた。勝利投手の権利を持って7回でマウンドをリリーフ陣に託したが、3点リードの9回に3番手モンテロが勝利目前の二死走者なしから3失点。まさかの同点となって自身の白星が消えると、チームも延長10回で力尽きた。

それでも菊池は今季12度目の先発登板で9度目となるクオリティースタート(QS=投球6回以上、自責点3以下)を達成。右膝負傷を乗り越え圧巻の投球を続ける鉄人左腕に米メディアも惜しみない賛辞を送っている。

地元紙「シアトル・タイムズ」のアダム・ジュード記者は、この日「マリナーズのクリーブランド戦はブルペンが崩壊し、菊池雄星の見事な先発を無駄にしてしまった」と題した記事を掲載。「今季のマリナーズブルペン陣にとって、最もひどい終盤のパフォーマンス」などと断罪し、抜群の内容を残しながらも勝ち星が消滅した菊池に〝同情〟している。

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