追撃なるか――。原巨人が13日のロッテ戦(ZOZOマリン)に4―5で敗れ、交流戦7勝8敗3分けで3年ぶり負け越し。首位・阪神に今季最大の7ゲーム差を付けられた。18日からの直接対決(甲子園)を前に、エース菅野智之投手(31)とジャスティン・スモーク内野手(34)の投打の柱に大きな不安も浮き彫りとなっている。
交流戦の勝ち越しがかかった一戦でエースが炎上した。菅野は初回一死から連続四球でピンチを招き、角中の適時二塁打とレアードの中犠飛で2点を献上。3回にも荻野のソロなどで2点を追加され、ベンチはたまらず2番手・大江をマウンドに送った。
打線は5点を追う7回に4点を返したが、一歩及ばなかった。1点差負けに、原監督は「甲子園の決勝戦のような気持ちでね、全員いきましたけどね。まあ、なかなか先発投手がゲームを作れなかった」と振り返った。
菅野は右ヒジ違和感から復帰して2連敗。「やるべきことをしっかりやって、また次に行くしかないです」と阪神との3戦目(20日、甲子園)に向けて気持ちを切り替えているが、この日も本来の投球からは程遠った。
二軍での調整登板を経ず、6日の日本ハム戦で〝ぶっつけ昇格〟。この日もセットポジションに変えた2回以降は、直球が140キロ台前半に落ちた。そもそも今季は2勝4敗と黒星先行。チーム内からは「直球のスピードがなかなか上がってこないし、全体的に変化球が高い。時間をかけてしっかりと調整した方がいい」と再調整を勧める声まで上がっている。
もう一つ不安なのが、メジャー196発の実績を誇るスモークの起用法だ。守備に難があり、交流戦のパ・リーグ主催試合ではソフトバンク、オリックス戦と6試合にDHで出場。だが、ロッテ戦では移動試合の11日に続き、この日もスタメンを外され、1点を追う終盤も出番のないまま終わった。
ここまで打率2割7分2厘、7本塁打、14打点とまずまずの結果を残しているが、ライバル球団の関係者は「こちらとしては助かるけど、守備もそうだし、あの走力では出塁しても塁が詰まってむしろマイナスになっている」と指摘する。
実際に「6番・DH」で出場した12日には無死一、三塁の三走で大城の高いバウンドの二ゴロにスタートを切るも、スライディングしないまま本塁タッチアウト。およそプロらしからぬ走塁にはスタンドからもどよめきが起こったほどだった。
直近6試合は19打数2安打、打率1割5厘と右肩下がり。2年契約で推定年俸300万ドル(約3億1000万円)の助っ人を使わない選択肢はないものの、代走や守備固めが不可欠なため、首脳陣も頭の痛いところだろう。
菅野、スモークとも虎との7ゲーム差を縮めるためには必要な戦力。1日も早い完全復調が待たれている。