ホンダ フィットはマイナーチェンジでコネクテッド機能強化も目玉機能「デジタルキー」の採用は延期に! その理由はヤリスに打ち勝つための作戦だった

ホンダ 新型フィットがデビューから1年足らずでマイナーチェンジを敢行した。最大の目玉はコネクテッド機能の強化であったが、2021年4月に発売した新型ヴェゼルの機能とは少し内容が異なるのだった。具体的にはスマホが鍵になるデジタルキーの採用が見送られたことが挙げられるが、一体なぜか!?

Honda FIT e:HEV HOME(ホンダ フィット イーエッチイーブイ ホーム)[2020年2月13日発売]

ホンダ 新型フィットが発売から1年でマイナーチェンジ! そのワケはライバルのヤリスにあり

ホンダ 新型ヴェゼルが登場したのは2020年2月のこと。時を同じくして最大のライバルであるトヨタ 新型ヤリスも発表されたこともあり、当初からフィットとヤリスの動向が注目されていた。

結果としては今の所ヤリスの圧勝であり、フィットの販売不振を回復させるために登場から1年足らずでマイナーチェンジに踏み切ったのだ。

フィットのマイナーチェンジモデルが発表される以前にホンダディーラーへフィットについて問い合わせたところ「デザインを理由にヤリスを選ぶユーザーが多い」と嘆いていたためにマイナーチェンジではエクステリアの変更も期待されていた。

だが、蓋を開けてみればコネクテッド機能の強化とデザインでなく使い勝手の向上をメインに改良されたのだ。

>>

コネクテッド機能が新型ヴェゼルと同等になるも目玉機能はなし!

2021年4月にデビューした新型ヴェゼルは、これまで3万台以上の受注を獲得するほど人気を博している。そして全てのコネクテッド機能を搭載するメーカーオプションナビの装着率もこれまで以上に高い数値で推移している

ホンダのコネクテッド機能が強化されたのは2021年4月に登場した新型ヴェゼルから、である。主な機能としては大きく7つある。

まずはSOSボタンを押せばオペレーターが対応してくれる緊急サポートセンター。スマホでエアコンの操作や位置を確認できるリモート操作。盗難やイタズラに迅速に対応してくれるHonda アルソック駆けつけサービス。

そしてホンダ初となる、常に最新の地図データに更新してくれる自動地図更新サービスが追加された。

さらに量産車初となる機能がさらに3つ存在する。ひとつはスマホが鍵になるデジタルキー。車内で快適なネット環境を実現する車内Wi-Fi。そしてアプリを一覧で表示してくれるアプリセンターだ。

という上記の内容が新型ヴェゼルに搭載されている。ちなみにこれら機能はメーカーオプションナビを装着すれば全機能を堪能できるのだ。ディーラーオプションナビにも対応する機能はあるものの、車内Wi-Fiなどが搭載されないのだった。

>>

ヴェゼルとの違いはデジタルキーの有無! 車内Wi-Fiなど今すぐ使いた機能は搭載

新型フィットに搭載されたコネクテッド機能は全6つの機能となっており、最大の目玉であるスマホが鍵になるデジタルキーの採用は見送られているのだ。

発売1年足らずでのマイナーチェンジ、そして新型ヴェゼルのコネクテッド機能が好評を博しているにもかかわらず、目玉機能が採用されなかったのは残念なところ。

この理由をホンダに問い合わせると「フィットが今後展開する商品改良に期待して欲しい」という回答のみであった。ここから推察するに今後も実施されるフィットのマイナーチェンジでヴェゼルと同等の機能が搭載される日もそう遠くないとも解釈できる内容である。

フィット次のマイナーチェンジで大幅改良に期待

フィットのマイナーチェンジモデルはコネクテッド機能の強化と2種類の特別仕様車という内容であった

ここからは編集部の考えであるが、おそらくフィットのマイナーチェンジは好調なヴェゼルとほぼ同じコネクテッド機能の強化を図り、ライバルのヤリスにはない“ならでは”の機能をいち早くフィットに展開したかったのではないだろうか?

もう少し開発期間を長く確保し、目玉機能を搭載するのも作戦としてはアリだが、販売不振のフィットを改良することで、新鮮さを訴求するという方法をとったのだ。それほどホンダがフィットにかける思いは並々ならぬ意気込みというワケだ。

まだ改良されたばかりのフィットであるが、次の改良ではデザイン変更やさらなる機能強化に期待したい。

【筆者:MOTA編集部 木村 剛大】

© 株式会社MOTA