立憲民主、ワクチン接種の打ち手不足に備え薬剤師も打ち手とするワクチン接種円滑化法案を衆院に提出

【2021.06.14配信】立憲民主党は6月11日、「ワクチン接種の打ち手不足に備える」ワクチン接種円滑化法案を衆院に提出した。薬剤師も研修を修了した上で、当該筋肉内注射を実施することができるようにするために必要な措置を講ずるとしている。

立憲民主党は6月11日、「ワクチン接種円滑化法案」(新型コロナウイルス感染症に係るワクチン接種の計画的かつ円滑な実施の推進に関する法律案)を衆院に提出した。

条文案では、「政府は、新型コロナウイルス感染症に係るワクチン接種のための筋肉内注射を実施
する医師及び看護師等が不足する事態に備えるため、新型コロナウイルス感染症に係るワクチン接種に係る業務を担っている薬剤師をはじめとする医療関係の職種の者(医師及び看護師等を除く。次項において「薬剤師等」という。)が当該筋肉内注射を実施するとした場合における必要な研修の内容についての検討、当該研修の実施のための体制の整備その他の必要な措置を講ずるものとする。」として、薬剤師への研修の措置を講じるものとしている。

さらに、「政府は、新型コロナウイルス感染症に係るワクチン接種のための筋肉内注射を実施する医師及び看護師等が不足する事態の発生を認めたときは、速やかに、薬剤師等に対して前項の研修を実施するとともに、当該研修を修了した薬剤師等が当該筋肉内注射を実施することができるようにするために必要な措置を講ずるものとする。」として、薬剤師にコロナワクチン接種を認めるよう求めている。

同党では、「新型コロナウイルスのワクチン接種を円滑に進めていくためには、接種を実施する医師・看護師等が不足する事態に備えて、政府が必要な措置を講じておく必要があり」として、同法案で「政府による工程表の策定」や「ワクチン接種のための筋肉内注射を実施する者の確保について政府が講ずべき措置」等について定めている。

長妻昭副代表は、「ワクチンの打ち手を増やしていく法律だ。野党のワクチン接種進捗に関するヒアリングで自治体の皆さんと意見交換しているが、やはり打ち手不足を異口同音におっしゃる」とし、政府が打ち手を救急救命士、臨床検査技師に拡大しようとしていることについては、「自治体の首長からの話では、救急救命士は忙しくてとても頼めないし、臨床検査技師はなかなか地域にいないと話されていた」と紹介。一方で、接種会場にはすでに薬剤師が手伝いに入っているとし、「そうであれば、そういう方々が打つことができるような、そのような準備をしないといけない。この法律の仕立てとしては、まずは打ち手がどれだけ必要になるのかという工程表をつくり、先を見越して打ち手が不足が顕著になった時、現状の打ち手では打てないと見込まれる時に、先手を打って薬剤師をはじめとする方々に研修を開始し、そして打ち手として参加をいただくようにする。接種をしてもらうには、研修とか、補償とか段取りが必要なので、それを促す法案だ。職域接種の現場からも打ち手が足りないという声があがっている。産業医がたくさんいる企業ばかりではない。この法案を政府に見ていただき、準備をしていただきたいという思いで提出した」と述べている。

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