オールスターでの二刀流 地元紙記者が指摘する3つのハードル

日本時間6月15日、オールスター・ゲームのファン投票の中間発表が行われ、大谷翔平(エンゼルス)はア・リーグの指名打者部門で2位に23万票以上の大差をつけて1位となった。このままいけば上位3名が進出できる第2ラウンドへの進出は確実であり、おそらく第2ラウンドでも1位となってオールスター・ゲームの先発メンバーに選ばれるだろう。ここで注目されるのが、夢の舞台での「二刀流」が実現するかどうかだが、地元紙の記者は3つのハードルがあることを指摘している。

大谷がオールスター・ゲームで「二刀流」を実現させるうえで「対処しなければならない問題がいくつかある」と指摘したのは地元紙「オレンジ・カウンティ・レジスター」のジェフ・フレッチャー記者。まず1つ目のハードルは、エンゼルスと大谷本人がオールスター・ゲームでの「二刀流」にゴーサインを出す必要があることだ。フレッチャー記者によると、ここまでの大谷の労働量を考えると、エンゼルスから許可が出るかどうかは確実ではないという。

2つ目は指名打者としてオールスター・ゲームに選出された大谷が登板してしまうと、他の投手の登板機会を奪ってしまうことだ。大谷は今季ここまで投手として9試合に先発して2勝1敗、防御率2.85、被打率.172、奪三振率12.93を記録。たとえば、選手間投票で先発投手部門の上位5名に入り、投手としてもオールスター・ゲームに選出されるようであれば、登板に支障はないが、投手としてオールスター・ゲームに選出された選手を差し置いて登板するのであれば、他の投手との調整も必要になってくるだろう。

3つ目は指名打者としてスタメン出場した大谷が登板する場合、指名打者制を解除する必要があることだ。フレッチャー記者はこの点について、「大谷を出場させることがメジャーリーグ機構の利益になることを考えれば、大谷のために多少のルール変更を認める可能性がある」と述べている。エンゼルスと大谷がオールスター・ゲームでの「二刀流」にゴーサインを出し、他の投手との調整も問題なければ、メジャーリーグ機構が「二刀流」のための特別ルールを作ることになるかもしれない。

なお、フレッチャーは「大谷がホームラン・ダービーに招待され、それを受け入れるかどうかは、ファン投票とは全く別の問題である」とも記している。メジャーリーグ機構から大谷に出場が打診されることは間違いないと思われるが、エンゼルスは大谷本人の意思や疲労度、後半戦への影響などを考慮しながら出場の可否を判断することになりそうだ。

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