日本玩具協会会長がコロナ対策に苦言「子供の仕事は遊び。不要不急の一言で片づけないで」

都内で開催された「日本おもちゃ大賞2021授賞式」

日本玩具協会主催の「2021最新おもちゃトレンド記者発表会」「日本おもちゃ大賞2021授賞式」が15日、東京・千代田区の東京国際フォーラムで行われ、各部門の大賞が発表された。

冒頭のあいさつに立った同協会の富山幹太郎会長は20年度(20年4月1日から21年3月31日)の玩具市場規模の概要・商品動向について説明。少子化、新型コロナウイルス感染拡大という非常事態の中でも玩具市場は前年度比101・5%を記録。この数字は過去20年間の調査で3番目となるもので、「玩具需要は底堅く、今後さらに成長していく可能性がある」と強調した。

富山会長は「コロナ禍のイベント制限、感染防止策により今年もおもちゃショーが開催できませんでした」と、親子連れでにぎわうビッグイベントを断念したことに無念さをにじませる。

コロナ対策として、子供が遊べる施設、スポーツ、音楽イベント、映画、飲食店など広範囲にわたって休業や時短の制限を受けた。

富山会長は「子供にとって遊びが仕事なんです。遊びは紀元前の昔から当たり前に存在してまいりました。こういう平時でない時期だからこそ心の安定、人とのつながりを担うおもちゃの存在意義が発揮されるのではないかと私は信じています」と必要性をアピール。続けて「だからこそ、おもちゃを不要不急という一言で片づけないでほしいと心に思っています」と力を込めた。

最後に「私たちおもちゃの担い手は日々、子供たちの健やかな成長の一助となる優良な商品の開発に励んでいます。この日本おもちゃ大賞には各社開発担当者の創意と工夫が生み出した今年の日本のおもちゃを代表する商品が勢揃いしています。実際の商品を見て『おもちゃっていいものだなあ』と改めて感じていただきたいと思います」と呼びかけた。

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