真言宗智山派・法明院(新潟県長岡市)が開創800年を記念し「御本尊不動明王御開帳」を開催

法明院の本尊・不動明王

真言宗智山派・法明院(新潟県長岡市)は開創800年を記念し、同寺院の本尊・不動明王の像を一般公開する「御本尊不動明王御開帳」を開催している。期間は15日から7月6日まで。

法明院の開創は鎌倉時代初期の1221年。高野山の高僧・覚海によって長岡市宮本3丁目、現在の「雪国植物園」が所在する場所に開かれたという。その後、当時の本堂は火災によって消失したことから、1555年に現在の場所へ移し替えられた。現在の御本尊となっている不動明王像も、この時期の前後に作られたと考えられる、と大谷宥真住職は語る。

本堂内に飾られたつるし雛

寺院内のお堂には、無病息災や厄災消除を願って収められた「厄除け大師御尊像」も

法明院では年に数回の御本尊の公開を行っており、同時期であれば本来は6月27日のみの公開を予定していた。しかし、地元で活動する市民団体「長岡つるしびなの会」と縁があり、同団体の作品を本堂内に展示することが決定。コロナ禍もあり多くの人が遠方への観光や旅行ができない中、つるし雛の展示に合わせて人々へ心の安らぎを提供できないか、と考えて「御開帳」の開催期間を大幅に拡大したという。

大谷住職は今回の一般公開を通して、仏教への興味を多くの人に持ってもらいたいと話す。「仏教というと、亡くなった方のためのものだと思う人も多い。しかし本来は、生きている人たちに心の拠り所を提供するための教え。御本尊様(不動明王)を通じて多くの人に心の安らぎを届けたい」(大谷住職)。

古くからの街道を受け継ぎ、今も多くの自動車が行き交う国道8号。その新潟の大動脈から一歩外れた中に法明院は立っている。コロナ禍の中ですらせわしなく動き続ける社会を離れ、静寂の中で不動明王と対峙してみるのはいかがだろうか。

本堂に吊るされた「お手綱」は、白い布をつたい不動明王像の指に繋がっており、この紐に触れて祈ることで不動明王との縁を結ぶという

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