至宝・久保建英に〝A代表の壁〟…武田修宏氏はレギュラー奪取に過酷な注文

森保ジャパンの攻撃陣は南野らで構成。久保(囲み写真)は現状ではスーパーサブ扱い

〝至宝〟のレギュラー奪取の条件とは――。日本代表はカタールW杯アジア2次予選キルギス戦(15日、吹田)に5―1で勝利し、同予選を8戦全勝で終えた。9月からスタートする最終予選へ向けて、元日本代表FWで本紙評論家の武田修宏氏(54)が森保ジャパンの今後を予測するとともに、MF久保建英(20=ヘタフェ)のA代表でのポジション争いを占った。

格下に1点は献上したものの、2次予選を大勝で締めくくり、今後はより厳しい戦いが予想される最終予選へ突入する。森保一監督(52)は「最終予選は別次元の厳しい戦いになる。チームとしても気を引き締めて最終予選に臨む準備をしたい」と先を見据えた。

いよいよW杯への最後の関門を迎える前に、武田氏は「最終予選は相手の守備強度も上がってくるし、なかなか点を取れない。チームとして攻撃のコンセプトをもう1度、落とし込んでいく必要がある。個人としてだけでなく、コンビネーションのクオリティーを上げていかないと、簡単にはいかなくなる」と注文。選手起用については「森保監督は、最終予選も経験を重視して選手を使っていくはず。U―24代表のオーバーエージ(OA)選手も五輪の経験を重視しているし」と予想した。

攻撃陣はFW大迫勇也(31=ブレーメン)、MF南野拓実(26=サウサンプトン)、MF鎌田大地(24=Eフランクフルト)、A代表経験も豊富なMF堂安律(23=ビーレフェルト)が中心になってくるという。その一方で、A代表の右サイドで存在感を発揮しているMF伊東純也(28=ゲンク)やU―24日本代表で主力を担う久保については「伊東のスピードや久保の攻撃的センスや技術は相手が疲れてくる後半でこそ生きる。現段階ではスーパーサブの方が生きるのではないか」との見解だ。

やはりまだ〝A代表の壁〟があるというわけだが、久保の目の前には序列を覆す大チャンスがある。武田氏は「東京五輪で活躍すれば、A代表でも先発の可能性がある」。ただ、単なる活躍ではなく、世界のスーパースターレベルを求めた。「(2016年)リオデジャネイロ五輪は、OAで出たFWネイマール(29=パリ・サンジェルマン)がブラジルに金メダルをもたらしたけど、それくらいのことはやってもらいたい」

決して簡単なことではないが、欧州では10代からA代表で結果を残す選手は珍しくない。武田氏は、あえて厳しい条件を突きつけて〝日本の至宝〟にさらなる奮起を促した。

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