新潟県が上越地域医療構想調整会議を開催、国の重点支援区域への申請を検討

上越地域医療構想調整会議の様子

新潟県福祉保健部は15日夜、高齢化社会での病院経営や、医師不足解消の打開策などを議論する令和3年度第1回上越地域医療構想調整会議を新潟県上越市の上越医師会館で開いた。

この日は、一般社団法人上越医師会や上越市内の県立病院長、上越地域3市(上越市、妙高市、糸魚川)の医療福祉部担当者のほか、一部オンラインでの参加も含めて約30人が参加した。

まず、質の高い医療を提供し続ける医療体制の実現に向けた今後の方向性について県より資料の説明があったほか、次に令和3年度第1回人工腎臓透析医療分科会の報告が県からなされた。その後、非公開で出席者による意見交換会が行われた。

新潟県では、今後75歳以上の後期高齢者の割合が増加することなどにより、急性期患者の減少で病院間の奪い合いが始まり、病院の共倒れに繋がることや、若い医師が県内に残らず、医師の高齢化が進むことなどが懸念されている。

会議の冒頭に、国の重点支援区域への申請を県として検討するとの方向性が示された。重点支援区域とは、地域医療構想の実現に向けて厚労省が助言や集中的な支援を行うもので、厚労省の支援ではデータ分析や意見調整などの技術的支援と、基金における優先的な予算配分などの財政的支援を行うというもの。

意見交換後の記者会見で、上越保健所兼糸魚川保健所の山﨑理所長は「重点支援区域への申請については時期的にはまだだが、おおむね了解が得られた。また、医師確保の面では、特に糸魚川市においては富山大学との繋がりもある。これまで新潟県は新潟大学とやってきたが、これからは県や大学をまたがるような体制の検討とともに、国から支援をしてもらうことも重要なのではないかという意見も出た」と話した。

上越医師会の高橋慶一会長(左)と上越保健所兼糸魚川保健所の山﨑理所長

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