松井大阪市長 河野大臣の発言に反論「ワクチンを人質にするのはやり過ぎ」

松井一郎大阪市長

大阪府の松井一郎市長(57)が16日、新型コロナウイルスのワクチン接種をめぐる河野太郎行政改革担当相の発言に反論した。

政府は米ファイザー社製ワクチンの配送量を、自治体の人口に応じて1クール(2週間)ごとに決定。自治体が接種記録を国の接種記録システム(VRS)に入力することで管理している。

河野氏は15日の会見後、入力が遅れている自治体に対し「VRSを見ると、ほとんど打っていない自治体もある」と指摘。「あまりに遅いところは1クール(配送を)飛ばすこともあり得る」と語った。

大阪市も遅れが指摘されている自治体の一つだが、松井氏は「医師会の協力があればスピード感をもってできるが、医師会の皆さんが『VRSの作業が煩雑で負担になる。それより接種に注力させてくれ』と言った。接種を広げるのが目的ですから、VRSに手間取って、1日の接種人数を抑えることになったら本末転倒なので医師会の希望に沿った」と遅れの理由を説明。個別接種では現在、接種記録が1か月分まとめて送られてくるが、医師会の了解を得て1週間に短縮してもらい、入力する考えを示した。

その上で、配送を遅らせることに言及した河野氏に対し「国も管理したいんでしょう。でも、管理をするために接種する人数を抑えるというのは本末転倒。実態は説明する。そのことをもって、ワクチンを人質にするのはやり過ぎ。我々は協力しているわけだから」と反論。

さらに、「把握は重要だが、1か月後か1週間後かでそれだけ大きな問題かね? 河野大臣は随時という。随時は集団接種会場ではやっている」と不快感をにじませた。

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