上越地域医療構想調整会議 「重点支援区域」申請へ  医療機能・病床数 再編や適正化支援

 上越地域(上越、糸魚川、妙高3市)の医療構想について協議している上越地域医療構想調整会議が15日、上越市春日野1の上越医師会館で開かれ、国が定める「重点支援区域」申請する方向性が示された。

 同日は県福祉保健部による「持続可能で質の高い医療を提供し続けるための新潟県地域医療構想の実現に向けた今後の方向性」(グランドデザイン)などの資料を基に協議が進められた。資料によると、県は全国と比較し25~49歳までの医師が少ない現状。令和6年度からは医師の働き方改革における時間外労働の上限規制が適応されるなど、医師を含めた医療資源の効率的活用が大きな課題という。

上越地域3市の医師会、各病院の院長、福祉・医療関係団体や行政の担当者が出席した

 国は地域医療構想の実現に向けた「経済財政運営と改革の基本方針2019」を令和元年に閣議決定。重点支援区域を設定し、データ分析や意見調整などによる技術的支援、基金の優先配分や病床支援などによる財政的支援を通じ、地域の医療機能再編、病床数の適正化などを支援する。同日は会議内で申請への合意、了解が得られ、今後は県からの申請を踏まえ、国の選定が行われる(申請時期は未定)。

◇透析患者 振り分けも 今後の医療体制を報告

 併せて8日に開かれた「人工腎臓透析医療分科会」の報告が行われた。透析医療においても患者の増加、病床や医師不足が課題で、新潟労災病院では常勤医の不在により、昨年度から新潟大と上越総合病院から医師の派遣を受け透析医療を行っている現状。同病院では現在約80人の透析患者を受け入れているが、現体制での継続が難しいため、今後は他施設への患者の振り分けを行い、透析医療体制の維持を図るとした。

© 株式会社上越タイムス社