慢心はナシ!阪神・矢野監督 16年ぶりリーグVに向け早くも「秋のG斬り男」選定へ

矢野監督は着々と準備を進めている

“本当の大一番”にふさわしい3人は誰だ。首位・阪神は16日に全体練習を行い、リーグ戦再開となる18日からの巨人3連戦(甲子園)へ向け、再び始動した。2位の巨人に7ゲーム差と独走状態に入った猛虎だが、16年ぶりの悲願達成へ慢心はナシ。宿敵・巨人との直接対決16試合を残したなかでも「秋の天王山」へ、準備を粛々と進めている。

交流戦を11勝7敗、貯金20で巨人を甲子園に迎え、リーグ戦の再スタートを切る矢野阪神。指揮官は「みんな粘って(交流戦は)いい形で終われた。そういうものを持って臨んでいければ」と、交流戦6連勝フィニッシュの勢いと聖地の地の利を生かし、さらに首位固めを行う算段だ。

巨人とは7ゲーム差で来る3連戦自体もすでに首位攻防戦ではなく、五輪による中断期間に入る7月14日までのペナントレース前半の「覇権」は確実に猛虎が握った。とはいえ16年ぶりのリーグVへ、打てる手は全て打っておく。

その核を担うのが先発投手陣。今後の対巨人戦は「誰がGキラーにふさわしいのか?」を模索する戦いとなりそうだ。来る18日からの3連戦はエース・西勇、新人ながらすでに4勝の伊藤将、新助っ人のアルカンタラの3人が有力だが、ここまでの対巨人戦9試合に先発した投手は計5人。西勇が2勝、伊藤将、アルカンタラが1勝ずつ挙げているが、対象は何もこの3人に限られたことではない。今季同戦2勝の青柳や逆に2戦2敗と現状では分が悪い秋山ももちろん候補で、まだ可能性を十分に残しているほか、先発で今季5勝もまだ対戦していない助っ人・ガンケルもしかりだ。

対巨人に力を入れるのは、昨年までの力関係だけが理由ではない。約1か月の五輪休止期間などがある今季の変則日程によるところが大きい。

なかでも巨人戦は残り16試合で13試合が週末開催。10月12~14日の3連戦以外、全て金~日曜日に行われるためだ。

すでに球界関係者からも「天王山があるとしたら、そこ」ともっぱらなのが9月の3~5日、19日の甲子園、24~26日の東京ドームでの7試合。仮に今後のペナントで「走る猛虎・追う巨人」の構図が続くならば、ここで頂上決戦となる可能性は高く、なおさら今からGキラー3人を見極めていく必要がある。

まずは球宴までの残り24試合。18日のリーグ再開からエース・西勇からの「ローテ再編」で首位固めを期す猛虎は並行し、雌雄を決する“秋のG斬り”にふさわしい男の選定も進めていく。

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