韓国が航行管理システムを国産化...北朝鮮船密入国やセウォル号事件受け

韓国のソフトウェア企業であるGMTは16日、韓国海洋警察庁のVTS(Vessel Traffic System)技術と設備の両方を国産化することに成功したと発表した。

VTSは、韓国および国際航海船舶の入・出港と安全管理を担うシステムであり、1993年に浦項港を皮切りに、全国20ヶ所に設置・運営されている。これまで韓国の国産技術が皆無で、90%以上を外国製に依存してきた。

特に2014年の「セウォル号事故」当時、外国製VTSが事故事実や異常運航などを正しく検出できないとされ、韓国の海上環境に適した韓国型VTS開発の必要性が提起されていた。

GMTは2016年に韓国電子通信研究院(ETRI)からの技術移転を受け、5年以上投資した結果、今年、韓国情報通信技術協会(TTA)のGS(Good Software)認証を獲得し、「K-VTS」という名称の統合パッケージでVTS主要6種について国産ソフトウェアとしての品質を認められたと説明している。

このシステムは、海上交通管制の核心である複数のレーダーターゲットの統合と連続追跡アルゴリズムを改善したものであるという。既存のレーダー(マグネトロン方式)から、最新のデジタル型レーダー(SSPA方式)まで適用可能で、処理速度も大幅に改善したとのこと。

朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)のイカ釣り漁船で乗組員16人を殺害して韓国に亡命の意思を示した北朝鮮船員2人が三陟(サムチョク)港に入港した2019年の事件や、レジャーボートを使って中国人が密入国した事件などを受け、同国警察庁などが認知能力の向上のための事業を推進していた。

GMTは、「GS 1等級を受けたK-VTSは、外国製技術の限界を越えた」とし「国内唯一の国産海岸局用SSPA最新のレーダーと完全に連動して全体VTSシステムを純国産技術で100%国産化に成功した」と説明した。

2002年に設立されたGMTは電子海図ベースの位置情報ソリューション専門企業であり、2019年に海洋水産部が発注した韓国型次世代海洋安全総合管理システム、オペレーティングシステムである「e-Navigation」事業を運営している。

(参考記事:「韓国ハンファ、レーザー兵器を国産化へ…ドローンなど小型無人機撃墜に利用」)
(参考記事:「韓国登録のミサイル特許技術、三菱電機の出願件数が上位に」)

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