光熱効果により高速で動く結晶の開発に成功

~高速で屈曲する機構を世界で初めて解明~

2021.06.16
早稲田大学

本発表の詳細は、早稲田大学のホームページをご覧ください。
https://www.waseda.jp/top/news/73226

■発表のポイント
・光熱効果により、高速で動く結晶の開発に成功した。
・結晶が高速で屈曲する機構を世界で初めて明らかにした。
・光で動くアクチュエータやソフトロボットへの応用が期待される。

■概要
早稲田大学ナノ・ライフ創新研究機構の小島 秀子(こしま ひでこ)招聘研究員と、理工学術院の朝日透(あさひ とおる)教授、長谷部 翔大(はせべ しょうだい)同大学大学院先進理工学研究科2年(一貫制博士課程2年)、萩原 佑紀(はぎわら ゆうき)同大学大学院先進理工学研究科3年(一貫制博士課程3年)・日本学術振興会特別研究員(DC1)らの研究グループは、光熱効果によって高速で動く新たな結晶の開発と、結晶が高速で屈曲する機構の解明に世界で初めて成功しました。
従来の動く結晶の多くは光異性化に基づいていますが、光異性化はごく限られた結晶でしか起きない、厚い結晶は屈曲しない、動きが遅い、などの問題点がありました。今回の光熱効果を用いれば、ほとんどの結晶を高速で動かすことができると期待されます。また屈曲シミュレーションにより動きをデザイン・設計できるようになりました。将来的には、光熱効果で動く多種多様な結晶の開発のみならず、光で動くアクチュエータ、ソフトロボットへの応用が期待されます。
本研究成果は、米国化学会誌『Journal of the American Chemical Society』のオンライン版に2021年6月7日(月)(現地時間)に掲載されました。

■論文情報
雑誌名:Journal of the American Chemical Society
論文名:Photothermally Driven High-Speed Crystal Actuation and Its Simulation
DOI:https://pubs.acs.org/doi/10.1021/jacs.1c03588