巨大ヒグマが札幌市内をまさかの疾走だ――。18日午前3時半ごろ、札幌市東区で「大きめのクマが住宅街の道路沿いにいる」と警察に通報があり、これまでに4人がヒグマに襲われてケガをした。4人は命に別状はない。
その後もヒグマは近隣エリアで目撃情報が相次ぎ、近くの自衛隊駐屯地や中学校の敷地に侵入。いまだ捕獲には至っておらず、警察と猟友会が後を追っている。
いったい、どうして大都会・札幌市の住宅街に巨大ヒグマが現れたのか? 北海道猟友会砂川支部長で、ヒグマのプロファイリングを得意とする池上治男氏は「通常では考えられない異常個体」として、こう話す。
「あくまで私の意見だが、この個体は獰猛な顔をしていてオスの成獣に見える。ある種の嗅覚異常で方向感覚を失っているのではないか? 通常、ヒグマは犬の何倍も優れていると言われる嗅覚で人の生活エリアを避けて行動する。しかも、この時期は山に餌がないわけではない。今回の行動は異常と言わざるを得ない」
すでに数多くの人が目撃するなど、周辺住民には不安が広がっている。ネットには子供を保育園に送っていったところ、その保育園の目の前でヒグマを目撃し、恐怖のあまり子供が泣き出したなど、さまざまな反応が書き込まれている。
これ以上の被害を出さないためにも一刻も早い対処が求められるが、池上氏は「人を襲っているので、また人を見たら必ず襲う。今は人に追いかけまわされて興奮している状態。しかし、住宅街なので猟銃の発砲は難しい。このまま静かに郊外に追いやるしかないが、サイレンや警笛を鳴らしていると、ますます興奮させるだけで難しくなる」と警鐘を鳴らす。
すでに通報から7時間余り。これ以上の被害が出ないのを願うばかりだが…。