【東京五輪】約250万円の高額観戦ツアーに「感染ツアー」と批判の声…旅行会社は板挟み

「開催強行」で旅行業界にも混乱が…

東京五輪の開幕まで1か月あまりとなった中、旅行会社が苦境に立たされている。

多くの旅行会社が新型コロナウイルス禍の影響を受けているものの、東武トップツアーズは、東京五輪公式観戦ツアー第3弾の抽選申し込みを17日~21日の日程で実施。抽選後に当選者は正式な手続きに入るというが、1人あたり100万円近くの値がつくプランも見られる。また、JTBも東京五輪公式観戦ツアーを発売中。17泊18日のプランは、1人あたり246万円とかなり強気な値段設定がされている。

ただ、東京五輪の開催を巡っては、否定的な声も多く聞かれている。ネット上では、ツアーの参加者に対して「お金に余裕のある方でうらやましい」「もはや『感染』ツアー?」など、皮肉めいた意見も飛び出ている。また、韓国紙「中央日報」は「約250万円『五輪旅行商品』も登場」との見出しで、有観客ありきで準備を進める日本政府を批判した。

この現状を、JTBの広報担当者は「当社としては『安心・安全』に東京五輪が開催されることが大前提だと考えている。その中で観戦を希望するお客様に対しては公式スポンサーとして、公式観戦ツアーの提供を始めた」とコメントしたが、その他の質問には「恐れ入りますが、回答は控えさせていただいている」と明言を避けた。

日本政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会・尾身茂会長(72)は、18日に「会場内での感染拡大リスクが最も低い無観客開催が望ましい」との見方を示した一方で、東京五輪・パラリンピック組織委員会側は依然として有観客での実施を想定。いまだに方針は定まっておらず、依然として旅行会社の板挟み状態が続きそうだ。

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