侍ジャパンに追加招集 阪神・梅野に課せられる“重要なミッション”

梅野に課せられる任務とは

東京五輪代表に阪神・梅野隆太郎捕手(30)の追加招集が18日に発表された。16日に選出された会沢翼捕手(33=広島)が交流戦で左足を故障し、出場を辞退したため。代役として白羽の矢が立った梅野には、グラウンド外でも多岐にわたる任務を期待される模様で、五輪では〝影の参謀〟とも言える重要な任務も任されることになりそうだ。

かねて代表入りを熱望していただけに、願ってもない一報となった。代表では背番号7をつけることも決定。プロ入り後は初の代表入りとなった梅野は「代表の一員として戦えることを、すごく誇りに思います。チームのために金メダルを目指して精一杯頑張ります」と意気込みを語った。

追加選出とはいえ、期待は「大」だ。現状、五輪本番ではプレミア12の正捕手・甲斐が正妻を務め、控え捕手としての役割がメーンとなる見込み。だが「五輪では正捕手を任される人間よりも、大会中は多岐にわたる分野で重責も担う。そのなかで自分の出番に備えなければならず、野手のなかでも1、2位を争うほどの激務」(侍ジャパン関係者)という。

24人のメンバー構成では「捕手2人制」で、有事の際は捕手経験のある栗原(ソフトバンク)や近藤(日本ハム)が入る編成も、2人は捕手以外での先発起用の可能性がある一方で、梅野は甲斐が先発マスクを被った試合は、近藤や栗原にはない重要なミッションも担うことになる。

その役目とは「プレーイングコーチ」。一例をあげれば、ベンチスタート時はブルペン捕手役も務め、ときにブルペンで出番に備える代表投手陣のスタンバイ時の状態報告を、首脳陣から求められることも頻繁にあるというのだ。

侍ジャパン関係者は「バッテリー関連で、セの投手をより詳しく知るスタッフは(巨人出身の)村田コーチぐらい。そういうこともあって、セの捕手は必ず1人は入れたい意向もあり、プレミア12の経験者でもある会沢で、という流れだった。梅野にはそういったことも含めて頑張ってもらうことになる」と話す。

言うなれば、セ投手陣にまつわる「ご意見番」。大会中は総力戦でのブルペン陣の見極めなど、グラウンド外での期待も背負うことなる。金メダルを目指す稲葉ジャパンにおいて、これまでのシーズンにはない〝やりがい〟も含め、虎の正妻は投手陣を束ねる影の参謀役としても期待されている。

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