神奈川で唯一「溶岩流で消滅」の可能性ある町 避難計画策定へ 確率は0.024%

開成町役場

 3月に改定された富士山噴火ハザードマップで、神奈川県内で唯一、町域全域が溶岩流にのみ込まれる可能性が新たに指摘された開成町の府川裕一町長は18日の町議会本会議で、「過去の噴火履歴からも溶岩流が町に到達する可能性は限りなく低い」との認識を示した。町は大規模噴火だった場合、町域全域が溶岩流にのみ込まれる確率は0.024%との試算を示した。

 富士山火山防災対策協議会は最新の知見から過去5600年175回の噴火履歴から被害想定を見直した。これまでの想定から2倍の13億立方メートルの溶岩流が流出し、県内7市町に到達する見通しを示した。開成町は最短で128時間で溶岩流が到達し、最終的には町域全域が溶岩にのみ込まれる可能性も指摘した。

 町は過去の噴火履歴と噴火口の発生数などから中規模噴火だった場合は、溶岩流が町内に到達する可能性は0.125%と試算。「あくまでも机上の数字」としながら同日の町議会で数値を示した。

 政府は5月、県内7市町を火山災害警戒地域に指定し、協議会は年度内に広域避難計画を策定。町も11月に町民向けの説明会を行い、町独自の避難計画も年度内に取りまとめる。府川町長は「過去に(溶岩到達が)ないからといって今後もないとは限らない。しっかりと対策をしていくことが重要」と説明した。

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