済生会病院にも接種会場 7月から栃木県 「一家族一旅行」実施目指す

新型コロナウイルスワクチン接種の加速化に向け、対策を説明する福田知事=18日夕、県庁

 栃木県は18日、新型コロナウイルス感染症対策本部会議を開き、ワクチン接種の早期完了に向け、病院と連携した県営の接種会場を新たに設置することを決めた。1カ所目は済生会宇都宮病院(宇都宮市竹林町)内に7月中に開設する方向で調整を進めており、今後さらに増やしていく。一方、感染状況が落ち着いた後の経済対策として、県内の宿泊・日帰り旅行代を割り引く「県民一家族一旅行推進事業」の7月12日からの実施に向け、準備を進めることも決定した。

 17日時点の人口10万人当たりの新規感染者数や全療養者数、病床使用率は5月27日の前回会議時より減少しているが、重症病床使用率は高止まりし、20~30代の新規感染者は増加傾向にある。このため県独自の警戒度は5段階で3番目の「厳重警戒(ステージ2.5)」を維持する。期間は19日~7月11日。

 全国の新規感染者数の減少を踏まえ、県民には移動制限の要請を一部緩和するが、引き続き緊急事態宣言措置区域やまん延防止等重点措置区域のある都道府県への不要不急の移動を控えることを求める。

 病院連携型の接種会場については、設置・運営を病院に委託し、通常診療の時間外や休日で対応可能な時間帯に接種を行う。接種対象者は病院のある市町の接種対象者に準ずるが、必要に応じて県が対象範囲を設ける。現在病院に対するアンケートを行っており、了承を得られ次第、設置箇所を増やす方針。

 16日に開設した県営の「とちぎワクチン接種センター」では、7月4~13日に高齢者施設の従事者や警察官などに優先的に接種を行う。14日以降は、同センターで1回目を受けた65歳以上の2回目と、市町から接種券が配られた64歳以下の接種を並行して行う。

 第2弾となる「県民一家族一旅行」は、県独自の警戒度の「感染注意(ステージ2)」への引き下げが条件で、夏休み前の実施に向け地域限定クーポンの配送などの準備を始める。

 福田富一(ふくだとみかず)知事は会議後の記者会見で「市町、関係機関と一丸となってワクチン接種に全力で取り組む。一家族一旅行は状況を見て一刻も早く開始させたい」と述べた。

とちぎワクチン接種センターの接種対象者とスケジュール

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