鷹が3位転落でも余裕の根拠 投打の柱欠きながらも首位・楽天に2差

敗戦のベンチでナインを見つめる工藤監督

王者が苦しんでいる。ソフトバンクが18日の日本ハム戦(ペイペイ)に1―2で敗戦。4連敗で3位に転落した。4位・ロッテも0・5ゲーム差と背後に迫ってきた。

交流戦前は首位だったが、過去8度の優勝を誇る得意の舞台で5勝9敗4分けの11位と急失速した。原因は低調な打線。この日先発した石川も、リーグ4位の防御率2・93ながら打線の援護に恵まれず6敗目(3勝)を喫した。

かといって王者に慌てた様子はなく、こんな冷静な分析がされている。「これで首位の楽天が走っていたら苦しいけど、勝ったり負けたりで抜けきれないでいる。うちがこれほどドン底の状況でも、大きく離されてはいない。後半戦になれば抜けている主力が戻ってくる。前半戦を終えたところで最低でも勝率5割ラインをキープできていれば、後半勝負で巻き返すことはできる」(チーム関係者)

現在、開幕4番を務めたグラシアルやエースの千賀、リリーフの柱であるモイネロ、森が不在。それでいて楽天とは2ゲーム差だ。しかも、短期決戦を含めて勝負どころでの勝ちを知る強さは折り紙付き。昨季も2位・ロッテにゲーム差なしまで肉薄されながら、10月以降の32試合を25勝6敗1分けで締めくくり、ぶっちぎった。

これまでは故障者が多発しても大崩れしなかったチームに、らしくない敗戦が目立っているのは気になるところ。ただ、工藤監督も「終わったことよりも反省して次につなげることが大事。143試合ある。まだ半分も行っていない」と先を見据えている。これこそが絶対王者の貫禄というところか。

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