スペイン代表の10番としてEURO2020に参戦しているティアゴ・アルカンタラ。
今季からリヴァプールでプレーする彼はプレミアリーグではリスタートですら息をつく暇がないと適応に苦労したことを認めている。
また、『Guardian』のインタビューで近年のサッカーの変化についてこんな話をしていた。
ティアゴ・アルカンタラ(スペイン代表MF)
「(今のサッカーとあなたが始めた頃のサッカーとの違いは?)
スピードとリズムが違う。より速く、よりフィジカルだ。
“10番”はほとんど消え去ってしまった。魔法もファンタジーも減ったよ。
サッカーはより多くのことやるようになり、より速くなった。
ドリブルする必要はない、走るからね。選手はあらゆる点で発達している。
違いのある選手を失った。崇高なテクニックを持つプレーメイカーでも遅ければ、ターンするチャンスがない。
僕らのように足が速くない選手は頭の中を速くしなければいけない。
人生のあらゆるものと同じ、適応さ。物事は常に動いている。
サッカーも変わり続けるし、表現も異なる」
「(インテンシティの増幅をどう説明するか)
僕が目にしてきたものさ、特に代表チームでね。
速くて、やる気に満ちて、準備ができていて、とても勤勉な若い選手たちがやってくる。
18歳の頃の自分はコーヒーを飲んで、座って、お喋りをしていた。で、練習の5分前になってスパイクを履いて出て行ったものさ。
今は30~45分前に彼らはジムで準備をしている。機動力や筋力のトレーニングを。
物事は進化する。僕らがそういったことをしなかったのは、誰も説明してくれなかったからさ」
「(あなたも今はそうしてる?ベテランたちも若手世代をマネしているのか)
僕らはお互いから力を得ている。
若手はベテランを見て、『あのレベルにならなければ』と思う。
ベテランは怪我をした後に準備の方法を受け入れたり、それを見て『俺もやってみよう』と思う。
改善する方法への意識が飛躍的に高まり、時間とともに新たなやり方に気付くようになる。
重要なのは、その美しさとテクニックを維持することさ」
「(例えば?)
ペドリは昔からある才能の例さ。
全てがナチュラル。彼はとても幼い頃と同じようにサッカーを見ている」
「(それを失うリスクはある?それは監督のせいか)
監督のせいにはできない。サッカーはコレクティブなスポーツだ。
コレクティブに機能している時、(魔法は)必要ない。結局、魔法は困難な時に自然と現われる。
しなければいけない動き方、しなければいけないパス、守り方を分かっている場合、大きな困難はほとんどない。
相手に囲まれていたり、パスする角度がなかったり、何か違うことをやらなければならない時、そういう困難な時に魔法や即興が生まれる。
(そういう場面で)自分がドリブルできるか?僕はドリブルをやるだろう。
サッカーは選手が個人主義の場面よりもコレクティブな機能について考えるような形で発展してきた」
そんなティアゴを擁するスペインはEURO第2戦でポーランドと対戦する。
【動画】これは天才!ティアゴ・アルカンタラにしかできない魔法トラップ
ティアゴはバイエルン時代の同僚であるポーランド代表FWロベルト・レヴァンドフスキは「生まれながらの勝者。完璧なプロフェッショナル」と評価していた。