上位グリッド争いに手応え。8番手獲得の岩佐歩夢、決勝は「表彰台を狙っていきたい」/FIA-F3第2戦予選

 岩佐歩夢(ハイテックGP)は今週末、南仏ポール・リカールでの第2戦3レースに臨む。1カ月前のバルセロナでの開幕戦では予選19番手に沈んだことが響いて、決勝でも期待した結果を出せずに終わった。雪辱を期した今週末、フリー走行ではタイヤトラブルに見舞われ19番手。しかし予選では劣勢を挽回し、自己ベスト8番手の速さを見せた。

 土曜日のレース1は予選上位12名のリバースグリッドとなり、岩佐は5番グリッドスタートとなる。フリー走行で満足に走れなかったためにレースペースは未知数だが、「少なくとも表彰台は狙っていきたい」と、意気込みを語っていた。

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──フリー走行は19番手と振るいませんでしたが、何があったのでしょうか?

岩佐歩夢(以下、岩佐):右リヤのエアバルブに問題があって、走り出すとすぐに空気が抜けてしまうトラブルに遭遇しました。それをフリー走行中に直すことができず、2セット目のタイヤを入れるしか方法がなかった。それを避けるために最後までそんな状態で走ったので、上位のタイムは無理でした。一方でドライビング自体も改善の余地があることがわかったので、予選に向けて準備しました。

──予選8番手は、その成果が出ましたか?

岩佐:予選が始まってすぐアタックを繰り返したのですが、トラフィックに捕まったり、自分のミスもあったりで、最初はなかなか順位を上げることができませんでした。クルマ自体も、アンダーステア傾向がちょっと強かったです。

 その後2セット目のタイヤに替えるタイミングで車体の方も少し調整して、そうしたらそのセットアップ変更が功を奏して、タイムを縮めることができました。ただデータを見ると、1セット目の方がコンディションはよかったです。あそこでタイムをまとめられていたら、より上のグリッドにいけていた。そこは反省材料ですね。

──この予選順位あたりを、今後も安定して出せそうな手応えを今回感じましたか?

岩佐:マシンパッケージとして、ポールポジションを狙えるほどではない。それは感じました。でもハイテックの基本パフォーマンスは十分高いので、予選での上位争いは十分に可能だと思っています。

──フリー走行を満足に走れなかったので難しいかと思いますが、レースペースはどう見ていますか。

岩佐:今回は予測が難しいですね。ただ開幕戦のバルセロナがそうでしたけど、ロングランペースはそんなに悪くないはずです。タイヤを十分にケアしつつ、オーバーテイクも積極的にしていくつもりです。

2021年FIA-F3第2戦フランス 岩佐歩夢(ハイテックGP)

──ポール・リカールではF4での走行経験はありますが、FIA-F3で走ると違う感触でした?

岩佐:けっこう大きな違いを感じました。具体的にはやっぱりダウンフォースですね。たとえばターン11の長いコーナーとか、ダウンフォースがしっかりついてる感じでした。あと低速コーナーでは、デフがあるかないかの違いですね。マシンの動かし方が全然違うので、そこはフリー走行で調整に専念しました。

──ダウンフォースが効いている分、風の影響も受けやすかった?

岩佐:それはありました。追い風だと、ブレーキングでロックしやすかったりだとか、ターン11のような高速コーナーだと、コーナリング中の挙動が変わりやすかったです。そこはF4とは全然違いました。

──レースに向けての目標と意気込みを。

岩佐:レース1は5番グリッドなので、前回よりかなりいい位置からのスタートになります。始まってみないとレースペースはわかりませんけど、できるだけトップを目指して、少なくとも表彰台を狙っていきたいですね。レース2はさらにリバースになりますけど、もしレース1でトップ3とか上位でゴールできれば、レース2は後ろのグリッドになる。それでもそこから追い上げて、少しでも多くのポイントを獲りたいです。

岩佐歩夢(ハイテックGP)

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