元寇ゆかりの「対馬小太郎の墓」 ヒトツバタゴ植樹

元寇ゆかりの「対馬小太郎の墓」近くに植樹されたヒトツバタゴの苗木=松浦市鷹島町

 鎌倉時代の蒙古襲来(元寇)の激戦地・長崎県松浦市鷹島町の「対馬小太郎の墓」に、対馬市から贈られたヒトツバタゴ4本が植樹された。昨年11月に松浦市で開かれた元寇にゆかりのある松浦、対馬、壱岐の3市が連携して元寇の歴史を観光や地域活性化に活用、発信する「元寇サミット」の交流活動の一環。
 小太郎は、対馬の守護代・宗助国の家臣で、文永の役(1274年)では対馬から元軍の襲来を大宰府へ報告する使命を果たし、博多湾で攻防戦にも参加。弘安の役(81年)では鷹島を襲撃した元軍を相手に奮戦したが、重傷を負い、「対馬が見える場所に埋葬してほしい」と言い残して自害したと伝わる。墓は対馬の方向を望む同町里免にあり、市指定史跡になっている。
 ヒトツバタゴは中国や朝鮮半島に広く分布しているが、国内では対馬など限られた地域に自生。対馬市の市木になっている。苗木は高さ約1.5メートルで、造園業者と市職員7人が墓の入り口付近と南側に4本をそれぞれ植樹した。業者によれば来年には白い花を咲かせ、将来は約30メートルにも成長するという。

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