エンゼルス・大谷が6戦6発 両リーグトップタイの23号! 日本人初の本塁打王に現実味

5回に23号2ランを放った大谷(ロイター=USA TODAY Sports)

エンゼルスの大谷翔平投手(26)は20日(日本時間21日)に本拠地アナハイムでのタイガース戦に「2番・DH」で出場し、5回の第3打席に3試合連続で両リーグトップタイとなる中越え23号2ランを放った。4打数1安打2打点だった。23本塁打は日米通じて自身最多本塁打。51本ペースだ。日本人選手初の本塁打王へ大谷の勢いは止まりそうもない。チームは延長10回3―5で敗れて連勝は3でストップ。勝率5割となった。

本拠地エンゼル・スタジアムが大歓声に包まれたのは1―3の5回一死二塁だった。マウンドは先発右腕マイズ。父の日仕様で水色の手袋、スパイクを着用して大谷は打席に入った。カウント1―2からの5球目、真ん中低めのスライダーを重心を落として両腕を畳んで豪快にすくい上げた。23度の角度で打ち出された104マイル(約167キロ)のライナーはそのまま中堅フェンスを越えた。

二塁を狙う勢いでスタートした大谷は一塁ベースを回ったところで右腕を何度も突き上げた。マウンドのマイズは信じられないとばかりに苦笑いを浮かべた。

飛距離414フィート(約126メートル)の同点23号2ランはメモリアルな一発だ。両リーグトップのブルージェイズのゲレロに並び、54打点はトップのゲレロと5点差となった。3戦連続は5月16日(同17日)の敵地レッドソックス戦、同17、18日(同18、19日)の本拠地インディアンス戦以来でメジャー4度目。23本塁打は日本ハム時代の2016年、米移籍1年目の18年を上回り、自身最多本塁打をマーク。同時にメジャー通算70号となった。

あらためて対応力を見せつけた。初回一死はカウント2―2からファウルで4球粘って95マイル(約153キロ)の内角高めの直球に空振り三振、3回無死一、三塁も高めの直球を3球振って空振り三振だった。変化球3球で1―2と追い込まれ4球目は内角高めの直球をファウル。5球目の低めのスライダーは狙い通りの勝負球だった。しかも、見送ればボールと判定されそうな低さだった。しかし、それを完璧に捉えて、最高の結果を出したのだ。

これで15日(同16日)の敵地アスレチックス戦から6戦6発。本塁打が出なかった17日(同18日)のタイガース戦は今季7度目の投打のリアル二刀流で出場し、6回を5安打1失点で今季3勝目をマークしている。まさに大谷のための1週間だった。自身3度目の週間MVPに選出される可能性は高いだろう。

3番手の左腕ソトと対戦した7回二死無走者は空振り三振だった。2本目が出れば再び同点の延長10回二死二塁は5番手の右腕フルマーが勝負を避けて四球だった。

進化した大谷。今季はどこまでアーチを積み上げるのか。これまでなら夢物語で片付けられてきた日本人選手初の本塁打王が日ごとに現実味を増している。

© 株式会社東京スポーツ新聞社