昆虫食が静かに広がりつつあるのを聞いてはいたが、何となく敬遠してきた。そんなところにコオロギを使ったお菓子の試食会に誘われ、恐る恐る顔を出してみた。(共同通信=中村彰)
コオロギパウダーを使ったクッキーとクランチを開発したのはベンチャー企業のグリラス(徳島県鳴門市)。徳島大学での25年を超える研究蓄積を基礎に2019年に設立された。代表取締役CEOは渡辺崇人・同大助教が務めている。
同社は近未来に起こるかもしれないタンパク質不足を見通し、食用コオロギを生産している。餌は廃棄食品で、フードロスが新たな食品に生まれ変わる「サーキュラーフード」を目指している。
今回、「C.TRIA(シートリア)」のブランドで製品化したのは、ココア味とハーブ・ガーリック味の2種のクッキーとチョコクランチ。まずココア味のクッキーを試してみた。癖がなく何の違和感もない。甲殻類のような香ばしさが感じられる。ハーブ・ガーリック味は緑の香りにあふれている。
クランチは正統派のチョコレートのコーティング。中の大豆を膨らませたパフはサクサクの歯触りで、手が止まらなくなりそう。
どちらも想像していた「虫感」がなく、普段のおやつにしてもよさそうだ。
トークセッションに参加した俳優の宮沢エマさんは「言われなければコオロギと分からない。うま味がコオロギからなのかな。抵抗感がなくなれば、いろいろと食べたくなりそう」と話していた。
渡辺CEOは「おいしくなければ話にならない。社会に定着させ、貢献していきたい」と意気込みを語った。
クッキーは8袋(16枚)1290円、クランチは10個980円。グリラスのオンラインショップはこちら https://gryllus-online.jp/
【関連記事】