【東京五輪】有観客1万人決定で海外メディア皮肉「専門家の意見にもかかわらず…」「政府に従った」

最悪の事態が起きた際に責任を取るのは…(ロイター)

7月23日開幕の東京五輪に向けて組織委員会、国際オリンピック委員会(IOC)、日本政府、東京都、国際パラリンピック委員会(IPC)は21日に会談し、五輪の観客上限を会場定員の50%以内で最大1万人とすることを決定したことに海外メディアは皮肉を込めて報じている。

英「BBC」は新型コロナウイルスによる日本の現状などについて報告し、来日したウガンダ代表メンバーが陽性判定を受けたことなどに触れた上で「海外からのファンはすでに大会への参加が禁止されていたが、日本からの観客は許可されることが確認された」と指摘した。

さらに「日本の医療専門家が先週、観客なしで大会を開催することは最もリスクの少ない選択肢であり、望ましいと述べた報告書が発表されたにもかかわらず、観客を許可する決定が下された」と専門家の提言を無視したと強調。「大会が日本でコロナウイルス感染の急増を引き起こすかもしれない恐れがある」と報じた。

英紙「メトロ」も「日本では、コロナウイルスのパンデミックにより五輪開催に反対している世論があるが、首都での2か月の非常事態宣言は日曜日に解除されただけで主催者は計画を進めた」とし「医療関係者が観客なしで開催することを推奨するレポートを発表したにもかかわらず…」と伝えている。

また、英紙「インデペンデント」も「主催者は国内のスポーツイベントに関する政府の制限に従うことを選択した」「大会が密室で開催されることを求める声に抵抗した」と報道するなど、今回の決定に疑問をにじませた。

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