ICT活用車両「SmartGOTO」公開 7月に実証開始 新上五島

乗車方法や乗り心地を確認する石田町長(中央)ら=新上五島町役場

 長崎県新上五島町は21日、トヨタ自動車、県と連携して取り組む、情報通信技術(ICT)活用の交通システム「SmartGOTO」の実証実験車両を公開した。実証実験は7月1日、同町津和崎郷と青方、浦桑郷を結ぶ路線で開始する。
 「SmartGOTO」は、事前登録した利用者がスマホ、タブレットで予約申し込みをすると車両運転席のモニターに反映され、利用者には到着予定時刻を通知する乗り合いタクシーのシステム。公開された車両は乗客8人乗りのワゴン車。専用機器を搭載した乗客4人乗りのタクシー1台も合わせて運行する。
 乗降口のモニターに利用者カードをかざして本人確認、料金は利用者が1カ月分を後納する。スマホ、タブレットからインターネットを通じた予約のみを受け付け、電話での対応はしない。希望者に専用タブレットを条件付きで貸し出す。
 石田信明町長は「人口減少や少子高齢化が進み、バス路線の維持が困難な地域の公共交通サービスを確保したい」とあいさつ。トヨタ自動車先進技術開発カンパニー、荒木将プロジェクト長は「地域に寄り添って進めたい」と語った。
 実証実験は2024年3月末まで実施。課題、ニーズを聞き取って本格的な運行につなげたい考え。
 体験試乗会では、津和崎郷から3人が乗車し、青方郷のショッピングセンターで買い物をした。今村正子さんは「買い物をするときの時間、心に余裕ができてありがたい。利用していくと思う」と話した。

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