高校生「DJポリス」登場 江迎署で一日署長に 特殊詐欺へ注意呼びかけ

「DJポリス」として特殊詐欺被害の防止を訴える佐藤さん(左)と塚本さん=北松佐々町

 「今、長崎が狙われています!」-。長崎県北松佐々町の県立清峰高3年で、警察官志望の佐藤千紘さん(17)と塚本紗弥さん(17)が16日、江迎署の一日署長に就任。県内初の高校生「DJポリス」として、同町のエレナ佐々店駐車場で警察車両の上から、買い物客らに特殊詐欺被害の防止を呼び掛けた。
 同署によると、例年街頭で啓発チラシなどを配布して被害防止を訴えているが、新型コロナウイルス感染防止の観点から、距離を取りながら大勢の人に啓発できる「DJポリス」のスタイルを選んだ。本年度の「犯罪なく3(さん)ば運動推進モデル校」に指定した同校と連携し、キャンペーンが実現した。
 警察官の制服を着た佐藤さんと塚本さんは「『私は大丈夫』と思っているそこのお父さん、お母さん。被害に遭った方もそう思っていたそうですよ」などと呼び掛け、買い物客らの心を引きつけた。不審な電話がかかってきた際には、同署の頭文字を取った合言葉▽「え」ATMに誘う電話は詐欺▽「む」むすめ・むすこに確認!相談!▽「か」還付金がありますよは詐欺▽「え」江迎署の電話番号は66-3110▽「し」市や町の職員は電話で振り込めなんて言わない▽「ょ」預金の話を電話でしてくるのはあやしい-を思い出してほしい、と連呼した。
 2人が「みんなで防犯意識を高めて、被害を出さないようにしましょう」と元気な声で締めくくると、買い物客らからは拍手が送られた。佐藤さんは「犯罪が1件でも減ってほしい思いでマイクを握った」、塚本さんは「とても緊張したが、高校生らしく元気にできた」とそれぞれ話した。
 同署によると、県内で今年確認された特殊詐欺被害は5月末現在で19件(前年同期比7件増)、計約4129万円(同3044万円減)。同署管内では、前年同期と同じ2件。被害額は計約90万円。同署は「地道に被害防止の啓発活動に努めたい」としている。

特殊詐欺被害防止のために江迎署の合言葉を紹介したキャンペーン=北松佐々町

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