2021年6月15日(火)、フォルクスワーゲンの主力ハッチバック「ゴルフ」がフルモデルチェンジし、同日より発売を開始した。1974年(日本導入は1975年)にデビューした初代ゴルフから数えて、本モデルで8代目。輸入車の中でも常にトップクラスの販売台数を維持し続ける人気ブランドは新型でどう変わったのか。まずは外装デザインから新旧で比較してみよう。
シリーズ初の48Vマイルドハイブリッドを採用し4気筒 1.5リッターターボと3気筒 1リッターターボを設定
2019年10月にドイツでデビューしてから随分と時間がかかったが、ようやくフォルクスワーゲン(VW) 新型ゴルフが日本に導入された。
直列3気筒 1.0リッターTSIターボエンジン、直列4気筒 1.5リッターTSIターボエンジンに、VW初の48Vベルト駆動式スタータージェネレーターとリチウムイオンバッテリーを組み合わせたマイルドハイブリッドシステムを組み合わせる。当初4グレードで展開し、価格は291万6000円から375万5000円(消費税込)。
シャープなフロント周りで前傾姿勢のフォルムになった8代目新型ゴルフ
ここからは、新旧のフォルクスワーゲン ゴルフを外観デザインの面から比較してみよう。
8代目 新型ゴルフ(ゴルフ8)のボディサイズは、全長4295mm×全幅1790mm×全高1475mm、ホイールベース2620mm。これに対し先代の7代目ゴルフ(ゴルフ7)は全長4265mm×全幅1800mm×全高1480mm、ホイールベース2635mmで、ほぼ同等と言って良い。
外観のデザインは、歴代モデルの流れを汲みながらも、新型ゴルフ8ではフロント周りをスリムな形状としたことで、前傾姿勢のフォルムとなっている。なお新型ゴルフ8はLEDヘッドライトが標準装備となる。
“ゴルフらしさ”を継承する骨太なDピラーを新型ゴルフ8も継承
サイドから見るとさらにその前傾姿勢の形状がわかりやすく比較出来る。新型ゴルフ8はノーズが低く、シャープさが増している。それでいて、Dピラー(後席ドアとリア部の柱部分)の形状は、初代から続くゴルフらしい骨太な形状を引き継いでいるから、どう見ても“ゴルフ”に見える、という訳だ。
水平基調の窓形状は8代目、7代目とも変わらず。運転席からの視界も考慮されており、狭い街中などでの取り回しも良好なのは新型も同様である。こうした基本設計の真面目さこそが、長年に渡り支持されてきた部分である。
新型ゴルフ8は、歴代の“らしさ”を受け継ぎながらも新時代のゴルフ像を提案する、新鮮なスタイルだ
後ろから見ても、新型ゴルフ8のスリムでシャープなフォルムがわかる。前述の通りボディサイズはほぼ変わっておらず、しかもここまで見てきた通り、基本的なフォルム・シルエット自体にも大きな変化はないので、デザイン処理の違いでここまで大きくイメージを変えたことがわかる。
ちなみにハッチバックを開けた荷室の容量は380リットル(定員乗車時)で、これは新旧ゴルフとも変わりはない。
フォルクスワーゲン ゴルフは、先代のゴルフ7で新開発のモジュール型MQBプラットフォームを採用。新型ゴルフ8ではこのベースを進化させたMQBエボプラットフォームを採用する。リアサスペンションには、ベーシックな1リッターモデルにトーションビーム式、上級の1.5リッターモデルにはマルチリンク(4リンク)式をそれぞれ搭載する。この布陣はゴルフ7も同様だ。
このように、1974年から脈々と続く歴代ゴルフの伝統的なフォルムを継承しながらも、現代的な前傾姿勢のシャープなフォルムを与えたことで、新鮮なスタイルとなった新型ゴルフ8。新型も再び日本でも愛される人気モデルとなるか、動向が注目される。
[筆者:MOTA(モータ)編集部/撮影:茂呂 幸正・小林 岳夫・フォルクスワーゲングループジャパン]