シェフラー、DTM第1戦モンツァで3台にステア・バイ・ワイヤ技術の『スペースドライブ』を搭載

 ドイツのシェフラーは、6月19〜20日にイタリアのモンツァで開催されたDTMドイツ・ツーリングカー選手権の2021年開幕戦で、ソフィア・フローシュ(アプト・スポーツライン/アウディR8 LMS)、ゲイリー・パフェット(メルセデスAMG・チーム・ミュッケ・モータースポーツ/メルセデスAMG GT3)、ティモ・グロック(ローヴェ・レーシング/BMW M6 GT3)の3台がシェフラーのステア・バイ・ワイヤ技術の『スペースドライブ』を搭載してレースを戦ったと発表した。

 シェフラーはDTMの公式シリーズ&イノベーションパートナーを務めており、将来DTMが投入を検討しているエレクトリックレーシングカー『DTMエレクトリック』の開発にも協力している。その車両にも搭載が予定されているのが、機械式のステアリングコラムに代わって、ケーブルを介したデジタルでステアリング操作を伝達するステア・バイ・ワイヤ技術『スペースドライブ』だ。

 ステア・バイ・ワイヤは日本でもニッサンがすでに一部市販車に搭載するなど、各メーカーで開発が進められているが、今回サーキットでシェフラーはブランドアンバサダーのフローシュが駆るアウディ、パフェットのメルセデス、グロックのBMWと、異なるドイツの3メーカーの車両に『スペースドライブ』を搭載しレースを戦った。

 シェフラーのオートモーティブ・テクノロジーズCEOを務めるマティアス・ジンクは「DTMのシリーズパートナーとして、シェフラーは革新的な強さとパイオニア精神を示しており、過酷な条件下で技術を使用することで、技術の成熟度を証明し、量産界初に一歩近づけることができた。スペースドライブは、公道での走行距離が10億kmを超え、徹底的に試行錯誤された自律走行のキーテクノロジーだ」と語った。

 また、シェフラー・パラバン・テクノロジーGmbH & Co. KGのCEOであるローランド・アーノルドは「モータースポーツは常に開発の加速剤と見なされてきた。この環境では、スペースドライブシステムは極度のストレスにさらされており、スペースドライブ3の量産に向けた継続的な開発のための重要な機能性を生み出すための理想的なテスト環境となっている」と語っている。

 自律走行はシェフラーの『ロードマップ2025』の重要な構成要素で、『ビジョン・シャシー2035』において、自動車および小型商用車の自動化レベルに関する基本シナリオを作成している。シェフラーは、2035年までに世界で生産される新車および小型商用車の約30%が少なくとも部分的に自動化され、そのうちの半数は高度な自動運転機能を備えていると予測している。

 シェフラーのシャシーシステム事業部社長のビクトール・モルナールは「自律走行車への移行にともない、運転機能の自動化が進むことで、シャシーアプリケーションにも信頼性と安全性に関するより厳しい要件が課せられることになる」と語った。

 今季シェフラーはスペースドライブテクノロジーの投入に加え、フローシュ、マルコ・ウィットマン(ワーケンホルスト・モータースポーツ/BMW M6 GT3)の2チームともパートナーシップを結んでいる。

シェフラーのスペースドライブシステムは自律走行のキーテクノロジーであり、すでに10億km以上の走行でその効果が実証されている。
ソフィア・フローシュ(アプト・スポーツライン/アウディR8 LMS)
シェフラーのステア・バイ・ワイヤ技術『スペースドライブ』を搭載しDTMを戦うゲイリー・パフェット(メルセデスAMG・チーム・ミュッケ・モータースポーツ/メルセデスAMG GT3)
シェフラーのステア・バイ・ワイヤ技術『スペースドライブ』を搭載しDTMを戦うティモ・グロック(ローヴェ・レーシング/BMW M6 GT3)
マルコ・ウィットマン(ワーケンホルスト・モータースポーツ/BMW M6 GT3)

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