不織布「ベンリーゼ」国際認証を取得 旭化成・延岡で製造

延岡市にある旭化成ベンリーゼ工場(同社提供)

 旭化成は23日、延岡市で製造している不織布「ベンリーゼ」の、海中での生分解性を証明する国際認証を初めて取得したと発表した。プラスチックごみなどによる海洋汚染が国際的な課題となる中、環境負荷が少ない製品として訴求力を高め商機拡大を図る。

 ベンリーゼは綿花の種子を包む産毛状の繊維を原料とするセルロース連続長繊維不織布で、世界で唯一、同社が同市の恒富地区・ベンベルグ工場で約50年前から製造する。年間生産量は約5000トン。吸液性に優れ不純物が少なく、フェースマスクや手術用ガーゼなど美容、医療分野をはじめ幅広く使われる。

 今回の認証はベルギーに本部を置く国際認証機関「TUV AUSTRIA BELGIUM NV」が実施。海水中で微生物により一定期間内に安全に分解されるなどの基準を満たした製品に与えられ、同社は今年1月に取得した。

 近年、環境配慮型の製品ニーズが欧米を中心に高まっており、同社は2019年にも同機関によるごみ処理過程や土壌での生分解に関する三つの認証を取得している。ベンベルグ事業部の前田栄作部長は「今後も製品の安全性を高めて新たな価値を創造し、用途開拓を進めたい」と話している。

© 株式会社宮崎日日新聞社