オリックス・山本「1試合20奪三振」は可能か 記録保持者のOB野田浩司氏が “糸口” 指摘

ポテンシャルだらけのオリックス・山本由伸

オリックスのエース・山本由伸投手(22)の日本記録更新はあるのか。

東京五輪では日本のエースとして先発、リリーフでフル回転が期待されている山本だが、注目されているのが奪三振数だ。11日の広島戦では7回までパーフェクト投球を演じ、15奪三振の快投。奪三振王に輝いた昨年に続き、今季も直球、変化球ともに絶品の精度で三振を重ね、7回無失点だった25日の西武戦(京セラ)の9個を加えて108奪三振に達し、2位の楽天・則本昂に24差でリーグトップを独走している。

そんな山本の投球を見守っているのが、1試合19奪三振の日本記録を持つ、OBで評論家の野田浩司氏(53)だ。同氏は1995年4月21日のロッテ戦(現ZOZOマリン)で得意のフォークを特有の海風に乗せて空振り三振を量産。162球の熱投の末に金字塔を打ち立てた。

山本も記録到達の期待を抱かせる内容を見せているが、野田氏は簡単にはいかないとの見立て。「屋外と比べてドーム球場は打者がボールを見やすいので、本当に力がないと難しい。それに今は球数の問題がある。三振は球数を要することになるし、僕も162球を投げた結果のこと。今は100球を超えたら代えるのが当たり前で、無理をさせたくないという考えがある。ノーヒットノーランでは代えないと思うけど、三振は積み重ねですから」と話す。山本も100球すぎて交代のケースが多く、完投は今季2試合だけ。三振を量産しても記録まで、となると厳しい状況というわけだ。

それでも野田氏は「山本にも宮城にも可能性はあると思うし、ワクワクする。見てみたいですよね。先発は中6日あれば疲労回復できるんです。僕の19奪三振の時の捕手が現監督の中嶋でした。山本が15奪三振で宮城が13奪三振(6月9日の巨人戦)なので、ひょっとしたら思い出しているかもしれないですね」とも言う。

記録更新のポテンシャルを秘める山本だけに内容次第では…。中嶋采配に期待したいところだ。

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